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平和な日常を願う
最終話です。
「---と言う事で、そのまま編入生が魔獣を倒したことにする」
青龍に元いた空間に一旦戻ってもらい、ユイに簡単に状況を説明して、そう締めくくった。
もちろん、怪我をしたことや危機一髪だった事は省略した。余計な心配をかけさせたくない。
「分かった」
コクリと、ユイは頷いた。
俺が面倒事を嫌ってるのを、ユイは知っている。もし、いとも簡単に魔獣を倒した青龍の存在が知られれば、今まで通りの日常は失われるだろう。
魔獣を引き連れてきたあの男が使ってた「我々」と言う言葉が、その後ろにいる何かの組織の存在を示唆している。
それに立ち向かうのは編入生の仕事な筈だ。彼らの物語は始まった。イレギュラーな存在は、いない方が良いに決まってる。
俺はあくまで大勢いる脇役の一人として存在していれば良い。
地面に座り、凭れ掛かってくるユイとの静かな時間を暫く享受してから、何も知らない振りをして皆と合流しよう。
そして学院に戻り、ミリアの妄想話にうんざりしながらケートに押し付け、毎日のように部屋にやって来るユイと笑い合う。そんな日常が、出来るだけ長く続けばいい。
木々の間から見上げた空は、何処までも青かった。
これで一応完結です。
ここまで読んで下さって、ありがとうございました!!




