彼は蚊帳の外
念頭に置いてほしいことがあります。厳かな討論は望んでいません。私は、作者も読者も楽しめる物を作りたいだけです。この物語は、よくある転生ものとも解釈できるし、歴史のありえないifを書いているとんでもない物語とも解釈できます。後者の解釈をした場合、細かな史実の違いをいちいち指摘するのは控えるようお願いいたします。
『説明書には、我々は前世と似て非なる一人の人間だから、前世通りにならないことの方が多いかもしれないって書いてあるし…。』――本文より
「…『不可侵』な。守れよ、今度こそ。」
髪を下ろして乾かしながら、ルフに耳打ちした。なにも知らないルフがどれほどの恐怖を感じたかは計り知れない。彼は一番フレンドリーそうなプリンの方に寄った。
「えーと、サーバーが3つあって、ひとつはあたいらの、もうひとつは相手の、最後のは両方が入れるみたい。うちらは絶対に赤い方だよね…。相手が青で。おそらく紫が両方だね。」
和風の街をふらふらしながら、チルは説明書片手にルフに教える。もちろん、ルフはなぜ赤い方のサーバーに行く必要があるかなんてわからないだろう。
「え?赤だとヨシちゃんが主導権握ってるみたいで嫌かも。」
プリンはどストレートに言う。もちろん、なんの話かはルフがわかることではない。ただの好きな色の話だと思っているだろう。本来なら、ここはルフも便乗しなくてはならないところだが。
「残念なことに、青はもう使われております。ローズやシャルの方が優勢なんだな。まあリーニはそんなにこだわりなさそうだし、ヒデは記憶ないし。」
チルがゲーム機を覗きながら言う。
「え…?」
突如、チルがゲーム機を落としそうになる。それほどに驚いている。
「どうしたんですか?」
近くにいたルフが尋ねる。
「た、大変だ。紫サーバーに、誰かいる。青に四人いるのに。誰だよ、これ。」
チルがとぎれとぎれに言う。何も知らないルフも、なにかありえないことが起きたということを感じ取った。
「同志創造主!これは誰だ!」
ヨシは天に向かって話しかける。
「安心して!紫サーバーには、直接対決には参加できないけど、間接的になんらかの助けをしてくれる人がたまに来るんだ!もちろん、前世の記憶があるし、状況を知ってるよ!」
「行ってみるか?」
プリンが問いかける。
「助けてくれるならいいんじゃない?」
チルが返す。
その人が事をややこしくするとは知らずに。
〜前世の相関図〜
この中だとヨシが赤っぽいらしいね。もちろん、赤が好きとか単純な話じゃないよ。彼の国の国旗は真っ赤だったってこと。これ以上はバレちゃいそうだから言わないでおくけど。




