美大落ち?音大落ち?
念頭に置いてほしいことがあります。厳かな討論は望んでいません。私は、作者も読者も楽しめる物を作りたいだけです。この物語は、よくある転生ものとも解釈できるし、歴史のありえないifを書いているとんでもない物語とも解釈できます。後者の解釈をした場合、細かな史実の違いをいちいち指摘するのは控えるようお願いいたします。
『説明書には、我々は前世と似て非なる一人の人間だから、前世通りにならないことの方が多いかもしれないって書いてあるし…。』――本文より
「ねえ、あのギター弾いてるやつがルフってマ?」
チルが信じられないものを見たというような目でみんなを見る。
「でも説明書には、我々は前世と似て非なる一人の人間だから、前世通りにならないことの方が多いかもしれないって書いてあるし…。」
プリンは困ったように説明書を読む。
「美大落ちの次は音大落ちか。」
ヨシが鼻で笑う。
「あれ、ギターを置いて建物の模写を始めた。」
チルが驚く。
「一応、受け継いではいるんだろうなあ。」
プリンがなんともいえない表情で呟く。
「さて、行きますか…。」
ヨシはすごく嫌そうな顔をしながら、ギタリスト志望疑惑のある彼のもとへ向かった。
「ねえ、『戦国大戦』ってゲーム知ってる?」
ヨシはルフに話しかける。誰だよお前みたいな顔をしている。
「え?まあ。少しやったことありますけど…。」
模写を中断して答える。
「君に伊達政宗のアバターをやるから我々の味方となり、あいつらをぶっ倒してくれ!!」
ヨシは単刀直入に言う。
「は?なんで知らんお前と??」
至極真っ当な反応である。
「いや、前世で関わりがあったんだ。だから一緒にこれをやって、相手チームの、前世で味方だった人も含めて倒して、前世での名誉をよりよくするんだ。前世のお前はめっちゃ評価悪いから、巻き返すこの上ないチャンスなんだ。」
ヨシは背筋が凍るほど冷静でかつ冷淡に主張した。前世の演説の特徴がよく出ているように思われる。…もしかしたら、慎重に言わないと訛りが出てしまうのかもしれない。
「知らねえよ!!」
ルフは絵筆を持って、ヨシに絵の具を飛ばした。ヨシはなんとか避けた。
「こりゃ大変そうだ…。」
チルは遠くからどこか他人事のようにつぶやいた。
〜前世の相関図〜
前世でヨシとルフは味方だった。しかしルフが裏切った。もともと、両者は考えが対極といっても過言ではないので、必然的ではあっただろう。




