相反するイデオロギー
念頭に置いてほしいことがあります。厳かな討論は望んでいません。私は、作者も読者も楽しめる物を作りたいだけです。この物語は、よくある転生ものとも解釈できるし、歴史のありえないifを書いているとんでもない物語とも解釈できます。後者の解釈をした場合、細かな史実の違いをいちいち指摘するのは控えるようお願いいたします。
『説明書には、我々は前世と似て非なる一人の人間だから、前世通りにならないことの方が多いかもしれないって書いてあるし…。』――本文より
「いらっしゃ…え?」
ウラは驚きのあまり二度見する。水浸しの客が二人もいるからだ。先頭のルフは涼しい顔でいるのに、ずぶ濡れの二人は疲れた顔をしている。
「ん?まさか…。」
ヨシは苦笑いする。
「久しぶりだな。いきなり質問で悪いが、一体なにがあったのかね?」
ウラはなにがあったのか知りたくてたまらないらしい。
「質問を質問で返すのも悪いが、なぜ君らだけ姿が前世にそっくりなのかね?」
ヨシは姿も声も前世に瓜二つなことが気になって仕方がないらしい。
「ようやく来たか。一時間も徒歩十分のところでなにをしてたんだよ…。」
プリンは呆れる。
「本や機材やサプリなど、いろいろありますよ〜!」
セキは真面目に商売をしている。
「ウラ、なにを資本主義やっているのかね?」
ヨシはウラを問い詰める。自分の上司ともいえる人物にも容赦ない。
「安心しろ。これは計画的なものだ。5年先まで売り出す予定のものがきっちり決められているさ。」
ウラが自信満々に返す。
「だからそれ需要に柔軟に応えられないから却下って言ったじゃん!社会主義なんて無理だから!諦めて!!」
セキが怒る。イデオロギーが正反対すぎて、絶望的に相性が悪い二人。
「店長!このマイクください!」
プリンが呼ぶ。
「はいはい、5個で2500円ですね。現金ですか?」
「クレジットカードでお願いします。」
謎に現代への適応が早いプリン。
「お品物をお渡しします。ありがとうございました。」
セキは営業スマイルでブリテン組を送り出す。
今度はシャルが店に飛び込んできた。
「店長!車貸して!!」
勢いに驚きつつ、なんとかスマイルを維持して対応する。
「どの車ですか?」
「もちろんラーダだよな!」
ウラが口を挟む。
「説明書に電車とバスの時刻表が載るレベルで壊れやすいやつやめろ。てかどうせ届くのに10年かかるだろ。」
セキがツッコむ。まあ、創造主的には、昔の話だと信じたいが、実際のところは知らない。
「じゃあそれでいい!てか車ってどうやって運転するの?」
シャルが勢いですべてを進めていく。
「店長!これってどの場面で使うものなの?」
ヨシが呼ぶ。
「お客様、少々お待ちを!ああ忙しい!!」
セキはちっとも役に立たないウラにイライラしていた。
〜前世の設計図〜
セキは前世が商人だったわけではないです。でもなんとなく物資を手配するのが得意そうな感じがしたので、この仕事をやってもらいました。




