彼は優遇か?叩き放題か?
念頭に置いてほしいことがあります。厳かな討論は望んでいません。私は、作者も読者も楽しめる物を作りたいだけです。この物語は、よくある転生ものとも解釈できるし、歴史のありえないifを書いているとんでもない物語とも解釈できます。後者の解釈をした場合、細かな史実の違いをいちいち指摘するのは控えるようお願いいたします。
『説明書には、我々は前世と似て非なる一人の人間だから、前世通りにならないことの方が多いかもしれないって書いてあるし…。』――本文より
「おお!アバターかっけー!」
プリンという名の学生がはしゃいでいる。なぜか猫耳フードを着ている。頭の上にはかわいいミニシルクハットが。ジーパンを着用していて、全体的にアメリカンな雰囲気である。和風の街の雰囲気に全く馴染んでいない。
創造主はゲームのアバターを全員にプレゼントした。彼のアバターは豊臣秀吉を模したものである。技や性能も彼にちなんだものになっている。
「はあ、なんで私があいつにアバターをプレゼントしなくちゃいけないの…。」
ヨシという名のポニテ前髪オールバック少女がつぶやく。彼女は前世で敵対したやつにアバターをプレゼントして、味方にしなければならないという制約がある。それほど前世で悪いことをしたから仕方ない。
「えーと、ヨシさんのアバターが織田信長、これから会いに行く憎き敵ルフのアバターが伊達政宗、あたしのアバターが福島正則か。よく知らないけどみんな強そうだね。」
シルクハット少女――チルが、配布された分厚い解説書を読んで口を開く。歩くたびに揺れる赤毛のツインテールは実に可愛らしい。
「どう考えてもルフの野郎のアバターが一番かっこいいのおかしくない?」
ヨシは不服そうに呟く。
「極悪人が優遇されてる気がする。」
プリンも同意する。
「まあ、あいつ記憶ないからな。我々が叩き放題だ。」
チルは良くない笑顔を浮かべている。
〜前世の相関図コーナー〜
チルとプリンは同じ国の出身。しかし、関わりがあったわけではない。
チルはイギリスで活躍したが、プリンはアメリカで活躍した。




