知らない誰か
念頭に置いてほしいことがあります。厳かな討論は望んでいません。私は、作者も読者も楽しめる物を作りたいだけです。この物語は、よくある転生ものとも解釈できるし、歴史のありえないifを書いているとんでもない物語とも解釈できます。後者の解釈をした場合、細かな史実の違いをいちいち指摘するのは控えるようお願いいたします。
『説明書には、我々は前世と似て非なる一人の人間だから、前世通りにならないことの方が多いかもしれないって書いてあるし…。』――本文より
ヒデは紫サーバーを彷徨っていた。なぜなら、自分と同じく前世の記憶がないのに巻き込まれている人が相手チームにいるらしいからだ。十分ほど歩いて、誰かの姿が見えた。全然人がいなかったので安心したが、聞いていた見た目と一致しないので、おそらく彼以外の敵の誰かだろう。
「あ、こんにちは。あなたがヒデさんですかね?」
話しかけられた。
「は、はい。」
緊張する。敵と話すなんて。
「記憶がないんですよね。最初に会ったし、前世も同じ日本人だし、私も貴方のチームに入れてくれませんか?」
え?敵だよね?
「あ、あなたは一体…?」
恐る恐る尋ねる。
「私は敵ではないので安心してください。この前アプデした人たちがいるじゃないですか。そのあたりと同じ立場です。私たちはみなさんを助けるために呼び出されたんです。試合には参加できませんが、そのかわり特別なことができます。私の場合、すべてのサーバーに名前を出さず入ることができたり、現世でのみなさんの居場所を特定したりすることができます。」
丁寧に説明してくれた。
「とりあえず、うちのリーダーに会ってもらえますか?」
よくわからないのでリーダーに丸投げする。
「へえ、それはすごい。」
ローズは一通り彼女から説明を聞いて感心している。
「よし、みんな集まってくれ。新しい仲間が来たぞ。」
各々作業していたメンバーが集まる。
「はじめまして。センと申します。前世は外交官だったので、今世はスパイとして来ました。よろしくお願いします。」
簡単な自己紹介が終わると、一同は拍手で歓迎した。
「じゃあ新枢軸軍の様子とかわかるの?」
リーニが尋ねる。
「居場所だけならわかります。詳しい動きは現地に行って調べます。」
「なんかすげー!」
シャルが興奮する。
「ではお手並み拝見といこうか。」
ローズが彼女を注意深く見ながら言う。。スパイということは、こちら側が監視されているという可能性もあるから、警戒をしている。
「わかりました。まずは、新枢軸軍の人たち全体の様子を調べてきます。はい、トランシーバーをお渡しします。電源は切らずに誰かが持っておいてください。」
そう言って、さっさと家を出て偵察に向かった。
「向こうからのスパイじゃないといいな。」
ローズが心配そうに呟いた。
『お助け2:セン
試合には出れません。味方につけると、相手の情報を教えてくれます。現実では、全員の位置を把握することができます。ゲームの方では、どのサーバーにも入ることができます。しかし、名前が出ないので、知らず知らずのうちに見られているかもしれません。アバターは竹中半兵衛です。』
――説明書より
〜前世の相関図〜
ヒデとセンは同じ国出身です。関わりがあったかは知りません。でも仕事が違うのでおそらく直接的にはないのではないかと思います。今更なんですが、前世が男性でも、今世では女性となっている方も多いです。この二人もそのタイプです。




