強敵現る!?
「ふぅ~……ようやく倒しきれた」
ゴーストと戦うこと数十分。
もう何体かもわからない数のゴーストを倒し、ついに打ち止め。多分100体は倒したんじゃない?もっと多いかもだけど。
これだけ倒せばレベルも上がってるんじゃない?
「ミシャ。私のレベル見せて」
《はい。ステータスを表示します》
――――――――――――――――
名 広田未来
種族 ゴースト
レベル8
HP 60/60
MP ∞
筋力 0
防御 23(物理無効)
魔力 102
防魔 66
素早さ 48
スキル
『魔力無限』『自由自在』『浮遊Lv1』『霊体攻撃Lv1』『生命力吸収Lv1』『情報精霊Lv1』
スキルポイント7
称号
『転生者』『同族殺し』
――――――――――――――――
「お~!やっぱりレベル上がってる!魔力ステ100超えてるし、かなり成長したんじゃない?」
ステータスを見ると、レベルが8になっていて気分が良い。
こうして成長を数字で見られると嬉しくなるよね。
実際、伸びのいいと思われる魔力ステは100を超えていて、なんだか強くなった気にれる。
それと、スキルポイントって何?
「ミシャ。スキルポイントって何?」
《はい。スキルポイントとはレベルアップごとに1入手することのできるもので、新規スキルの獲得、既存のスキルのレベルアップ、スキルの上位強化に使用します》
「名前通りって感じか……これ使って『情報精霊』のスキルレベルを上げたら、ミシャのできることが増えるの?」
《はい。ですが今それを行うことはおすすめしません。スキル『情報精霊』のレベルアップにはスキルポイントが30必要です》
「へぇ~?かなり多いね。今持ってる分じゃ足りないじゃん」
《その通りです。そのため、他のスキルを取得して攻撃手段を増やす、或いはポイントとして残しておき、必要に応じて状況打破の切り札として使うことをおすすめします》
「なるほど。ありがとミシャ。使い方は考えとくよ」
スキルポイントは、名前の通りスキルに関することで使うものらしい。
こういう要素はゲームで何度も見たことがあるし、まあそんなに頭を悩ませるようなものじゃない。
ただ、使い方はしっかり考えないとね。
ゲームだとスキルリセットは当たり前だけど、ここは現実。
やり直しは効かないと考えて、大切に使わないと。
「『魔力無限』の強さを考えると、魔法スキルでも取った方がいいのかな?」
今私が取れるスキルにどんなものがあるのかわからないけど、『魔力無限』ってスキルがある以上それを活用するスキルを取りたい。
そうなると、やっぱり魔法が使いたいよね?
無尽蔵に魔法を使える幽霊……良いじゃん!すごくいい感じ!
「あと、ゴースト繋がりで考えるならポルターガイストとかもできたらいいよね。絶対強いし」
物を浮かせたり動かしたりする。
どうせ魔力が尽きないなら、一度にありえない量のモノを浮かせてぶつける。
それだけで大抵の敵に勝てるし、ポルターガイストは伸ばし甲斐があるスキルだと思う。
「あと、幽霊がしてきそうな攻撃ってなんだろ?幻覚を見せるとか?面白そうだけど、あんまり強くなさそう…」
今私がどんなスキルを手に入れられるのかわからないけど、どうすれば自分は強くなれるか?この先生き残れるかを考えて未来を想像する。
ゴースト相手に無双した直後とあって、気が大きくなっていた私。
そんな時だった。
「あ゛ぁ~~……」
「っ!?誰っ!?」
突然後ろから声が聞こえて、慌てて振り返る。
真っ暗でよく見えないが……何かいる。
人型をした何かが、体を左右に揺らしながらこちらへ向かってきているのだ。
「人……じゃないね。光ってないし、ゴーストでもない。ミシャ。何かわかる?」
こんなところに生きてる人が居るとも思えないので、間違いなく人ではない。
とはいえ、体が発行しているわけでもないのでゴーストでもなさそうだ。
なら、多分別種のアンデッドだと思う。
《高確率でゾンビだと推定されます。気を付けてください、今あなたにゾンビを攻撃する手段はありません》
「ゾンビ、ね……『生命力吸収』は使えないの?」
《はい。アンデッドにはスキル『生命力吸収』が機能しません。また、ゾンビは霊体ではないため『霊体攻撃』も通じません》
「なるほど、確かに攻撃手段が無いね。でも、それは相手も一緒でしょ?私はゴースト。もう死んでて肉体がないからゾンビに私は攻撃できないよ」
ミシャ曰く、相手はゾンビらしい。
アンデッドの一種で、今の私では攻撃手段がなくて足せない相手なんだとか?
でも、私はゴーストで肉体がないし、物理攻撃が効かない。
ゾンビ如き恐れるに足らないよ。
なんて考えていたら、すぐそこまでゾンビが迫っていた。
「あ゛ぁ~~!」
「無駄だよ。私にはあたらな―――ひぐっ!?」
攻撃は当たらない。本気でそう思ってた。
でも、ゾンビが振り上げた腕は確かに私を殴り、誰かに全力で殴られた痛みが襲い掛かってくる。
「いやああああああああああああああッッ!!!??」
その痛みはじんじんと体の奥深くまで響き、痛みでまともな思考が全部吹っ飛んだ。
「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!!!!!」
自分でも何を考えているのかわからない。
とにかく痛くて、とにかく苦しくて、無茶苦茶に飛び回る。
私を殴ったゾンビから逃げるように。
「ひぅ……ひ、ひぃ……み、ミシャ助けて!!なんとかして!!」
ゾンビから少し距離が取れたところで、ミシャに助けを求める。
霊体だから涙は出ないけど…もし生身だったら、涙と鼻水で顔がぐしょぐしょになって、下は失禁してる。
そんな痛みと苦しみの中で、唯一私が話すことのできる相手であるミシャに助けを求めた。
《すみません。わたしはあなたの中に居る情報精霊であり、外界へ干渉することはできません。また、その権限が不足しています》
「は、はぁ!!?そんなのいいから助けて!!」
《情報精霊が外界へ干渉するためには、スキルレベルを3以上にして、魔法スキルなどのスキルを有している必要が―――》
「何言ってんの!?私は助けてって言ってるの!!説明してほしいんじゃないの!使えない!!」
しかし、ミシャは全く役に立たなかった。
やれ権限不足だ、魔法スキルだ。
そんな訳の分からないことを言って、私のしてほしいとことは何もしてくれない。
本当に肝心な時に役に立たないんだから!!
「もういい!自分で何とかする!!」
ミシャに頼った私が馬鹿だった。
自分の事は自分で何とかしなきゃいけない。
そう思って、私はひたすらゾンビとは逆方向へ飛ぶ。
さっきからわかってたけど、ゾンビは動きが遅い。
今の私の速度ならゾンビを撒くことだってなんてことない。
洞窟の奥へひたすら飛んで飛んで飛び続ける。
とにかく逃げられたらいいんだ。
やっぱり、危ない時は逃げるべきだ。
逃げるは恥だがなんとや、ら……?
「う、うそでしょ………?」
私が逃げた先。
洞窟の奥には………
「あ゛ぁ~~……」「あ゛ぉ~~……」「う゛ぅ~~……」「あ゛ぅ~~……」
「あ゛あ゛ぁ~~……」「う゛ぁ~~……」「う゛ぁ~~……」「お゛ぁ~~……」
「う゛あ゛ぁ~~……」「あ゛あ゛ぁ~~……」「あ゛~~……」「あ゛ぁ~~……」
「おお゛あ゛ぁ~~……」「あ゛ぁ~~……」「うあ゛ぁ~~……」「あ゛ぁ~~……」
「あ゛ぁ~~……」「え゛ぁ~~……」「う゛あ゛ぁ~~……」「あ゛ぁ~~……」「あ゛ぁ~~……」「あ゛ぁ~~……」
もはや何体居るのかもわからない。
そんな数のゾンビが居て……そこらじゅうを徘徊していた。
「そん、な……」
逃げ場なんてない。
ゾンビは一体だけじゃない。
絶望から後退る。
でも、後ろからもゾンビのうめき声が聞こえる。
これなら、さっきのところに居た方がマシだった。
「ねえミシャ……助けてよ……さっき使えないって言ったの謝るからさ?お願い、助けて…!」
今私が頼れるのはミシャしかいない。
藁にもすがる思いでミシャに問いかけるが……
《申し訳ありません。権限不足により、直接的に助けることはできません》
「そんな……」
ミシャの返事は、冷たいものだった。
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