リトライ!外のモンスター!
スキル『生命感知』とスキル『魔力感知』を取得して、一気に沢山のモンスターを見つけた!……なんて事はなく。
「う~ん……意外とモンスターっていないんだね?」
スキルの効果範囲が狭いというのもあるだろうけど、その二つのスキルを取得したからと言って即座に効果が出ることはなかった。
まあ、当たり前と言えば当たり前。
だって、そんなにすぐに見つかるなら、わざわざスキルを取得しなくても少し飛び回るだけでモンスターを見つけられたはずだからね。
でも、現実はそうじゃない。居ない上に視界が悪くて見つけられないからこのスキルを取ったわけで……
「飛び回ればいつかは見つかる。別にスキルが悪いわけじゃない。悪いわけじゃないんだ…!」
必死にそう言い聞かせ、このスキルに意味はあると自分に言い聞かせる。
じゃないと、わざわざ4ポイントも使ってスキルを取った私が馬鹿みたいじゃないか。
『やらずに後悔するよりやって後悔する』なんて言葉があるけど、あんなのは嘘だって今ならわかる。
だって、やろうがやらなかろうが後悔は後悔なんだから。
「見つからないなぁ……ミシャ、スキルの効果範囲ってどのくらいなの?」
でも、やっぱり悔やむ気持ちが勝って、ついに禁断の質問をしてしまった。
しなくたって何となくわかるけど……具体的な数字を聞かないことにはわからないからね!うん!
《はい。スキル『生命感知Lv1』『魔力感知Lv1』の効果範囲は直径およそ10メートルです。なお、地中の感知はかなり効果範囲が狭くなり、50センチとなっています》
「ああ、うん……」
10メートル、ね……うん、10メートル。
いやね?決して狭くはないんだよ?
どのくらいの広さかって、学校の教室より一回り大きいくらいだから。
狭くは無いんだけど……広くもないんだよね。
遠くから望遠鏡で見られてて、それに気付いて『バカな!?150メートル離れてるんだぞ!?』みたいなことは到底出来っこない。
けど、この3メートル先も見えないような真夜中の森では直径10メートルを感知できるって相当凄い。
あると無いとじゃ天と地ほどの差がある。でもなぁ……
何とも言えない気持ちになり、本当に2つも取るべきだったのか?『魔力感知』だけでよかったんじゃないか?という考えが何度も脳裏をよぎる。
そんな時だった。
「…うん?これか?」
5メートル先。
『生命感知』で”何か居るのが感じられる”という、五感のどれにも当てはまらない感覚を感じた。
けど、『魔力感知』はうんともすんとも言わない。
「ミシャ。これってモンスター?」
一応確認のため、ミシャに聞いてみる。
《はい。ほぼ間違いなくモンスターでしょう。スキル『魔力感知』を誤魔化すスキルを持っているようですが、スキル『生命感知』までは誤魔化せなかったようです》
ミシャに聞いてみると、やっぱりモンスターだった。
しかも、いきなり『魔力感知』が効かないタイプ。
もったいぶって『魔力感知』だけ取ってたら気付けなかったと思うし、取って良かった。
ようやくスキルに意味を見いだせて嬉しい。
そのままウキウキで生命力を感知した場所へ向かってみる。
「さてさて、どんなモンスターが居るのか―――って、スライムじゃん!」
気配を頼りにやって来てみると、そこには岩に擬態したスライムがいた。
その擬態はかなりの精度で、『生命感知』がなければ私でも見つけられないレベル。
その上『魔力感知』を誤魔化すスキルまで持っているんだから、本当にスライムなのか…?って疑いそうになる。
「スライムね……炎魔法効くのかな?」
スライムが油で出来ているなら燃えそうだけど、99%水分とかなら炎魔法が効きづらいかも。
……てか、99%水分で出来てる相手に強い魔法って何?草魔法とか?
「……まあいいや。今から新しい魔法スキルを取っても仕方ないし、炎魔法で燃やそう」
今更新しくスキルは取れないし、深く考えても仕方ないので、諦めて炎魔法で攻撃することにした。
「これで逃げるなら諦める。『ファイア』!」
ファイアーボールにしようかと思ったけど、アレは爆発音が鳴り響いて他のモンスターを警戒させちゃう。
だから、比較的静かなファイアにした。
私の手に魔法陣が現れ、そこから炎が噴き出す。
その炎がスライムに迫り……
―――ブシャァァァ!!
「わっ!?」
突然スライムが液体を吐き出し、私のファイアを消してしまった。
それが何なのかはわからないけど…『魔力感知』が反応していたので、もしかしたら魔法かもしれない。
「スライムが魔法って……そうじゃないでしょ、スライムって普通」
雑魚モンスターの代名詞みたいなスライムが魔力感知を躱し、いくら視界が悪いとはいえ私が見紛うほどの擬態をして、ついには魔法まで使う。
……思ったんだけど、この森結構ヤバい?
「私、神様に殺されかけてるのかなぁ…?」
何の説明もなくこの世界に放り込まれ、行き着いたのは強すぎるモンスターが跋扈している森。
そして、生まれ落ちた種は何もしなければ勝手に死んでしまうゴーストという、転生できたのかも怪しい種族。
……ちょっと口ごたえしただけで、そこまでする?
「…今だって、全然死にかけてるよね。魔法を使うスライムって…私殺せるじゃん。コイツはナシ!」
私が外のモンスターに強気に出られるのは、コイツらが私に攻撃できないから。
物理攻撃しかできなくて、かつ魔力を纏えないのなら、どれだけ強かろうが私相手に為す術が無い。
霊体というアドバンテージがあるから強気でいられたけど……魔法が使えるのは話が違うよね。
「はぁ…また探さなきゃダメなのか……」
魔法を使ってくるイカれたスライムを狙うのは諦め、次のモンスターを探す。
強くなったとは思うけど、私はまだまだか弱いゴースト。
痛いのは嫌なんだよね。
私が痛い思いをしないように済むように、霊体への攻撃手段を持たないモンスターを求めて森を彷徨う事にした。
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今回からあとがきに主人公のステータスを表示しようと思います。
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名 広田未来
種族 ゴースト
レベル21
HP 100/100
MP ∞
筋力 0
防御 41(物理無効)
魔力 344
防魔 95
素早さ 72
スキル
『魔力無限』『自由自在』『浮遊Lv1』『霊体攻撃Lv1』『炎魔法Lv2』『神聖魔法Lv1』『防御魔法Lv1』『生命力吸収Lv1』『魔力制御Lv1』『思考加速Lv2』『生命感知Lv1』『魔力感知Lv1』『情報精霊Lv1』
スキルポイント4
称号
『転生者』『同族殺し』『アンデッドハンター』『格上殺し』『解放者』
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