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影狼ノ忍  作者: 次男坊
第3章「風遁修行編」
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第85話「忍術への対応」

四人の前に、四人の忍が立っていた。


火遁を操る忍。


水遁を操る忍。


土遁を操る忍。


雷遁を操る忍。


昨日までの訓練とは違う。


四人はそれぞれ別々に戦うのではなく、互いの忍術を組み合わせるように構えていた。


「来るぞ」


蒼真が風影刀を抜く。


次の瞬間。


「火遁・火球!」


火遁の忍から巨大な火球が放たれた。


同時に水遁の忍が地面へ手をつく。


「水遁・水流!」


大量の水が地面を走る。


「雷遁・雷走!」


雷遁の忍が水の上を走った。


蒼真の表情が変わる。


「水に雷を流すつもりか!」


「気づくのが遅い!」


雷が水面を走った。


四人は一斉に後ろへ飛ぶ。


直後、土遁の忍が地面を叩いた。


「土遁・土壁!」


地面から土壁がせり上がり、四人の視界を完全に塞ぐ。


「くっ!」


「バラバラにされるぞ!」


蓮司が叫ぶ。


土壁の向こうから手裏剣が飛んできた。


「来た!」


レイが二本の短刀で弾き落とす。


しかし、その直後。


「水遁・水縛!」


水の縄がレイの足元へ伸びた。


「……!」


レイが飛び退く。


その瞬間、頭上から火球が迫った。


「レイ!」


凛が水壁を展開する。


「水遁・水壁!」


火球と水壁がぶつかる。


大量の蒸気が周囲を覆った。


「見えない!」


蓮司が周囲を警戒する。


白い霧の中。


足音がした。


一つ。


二つ。


三つ。


そして四つ。


「どこから来る……!」


蒼真は目を閉じた。


視界は役に立たない。


ならば――。


風を読む。


蒸気の流れ。


木々の揺れ。


足元を伝わる空気。


その中に、わずかな違和感があった。


「右だ!」


蒼真が叫ぶ。


蓮司が振り向く。


そこには土遁の忍がいた。


「遅い!」


忍が苦無を突き出す。


蓮司は刀で受け止めた。


だが、その瞬間。


地面から土の槍が飛び出した。


「土遁・土槍!」


「うおっ!」


蓮司が横へ転がる。


「蓮司!」


蒼真が駆ける。


しかし、蒼真の前に火球が飛んできた。


「火遁・火炎弾!」


蒼真は風を纏う。


「風遁!」


身体を横へ滑らせ、火球を避ける。


そのまま風影刀を振った。


「風遁・風刃!」


風の刃が地面を走る。


火遁の忍は身を低くして避けた。


「まだまだ!」


背後から雷遁の忍が迫る。


「雷遁・瞬雷!」


姿が消えたように見えるほどの速度。


蒼真が振り返る。


雷を纏った苦無が迫っていた。


ガキィン!


風影刀で受け止める。


「速い……!」


押し込まれる。


蒼真の足が地面を滑った。


そこへ凛が水槍を放つ。


「水遁・水槍!」


雷遁の忍は横へ跳ぶ。


その瞬間、水槍が地面に突き刺さった。


雷遁の忍が着地する。


「水を使ったか」


「……何かおかしい」


凛が周囲を見る。


先ほどから敵は、攻撃を避けている。


ただ避けているのではない。


四人の動きを誘導している。


水を撒く。


土壁で進路を限定する。


火で視界を奪う。


そして雷で動きを狙う。


「こいつら……」


蓮司が気づいた。


「俺たちを狙ってるんじゃない」


レイが続ける。


「動く場所を作っている」


蒼真が頷いた。


「つまり、俺たち自身が敵の術に誘導されてる」


その直後。


地面が揺れた。


「土遁・地裂!」


地面が大きく割れる。


四人はそれぞれ別方向へ飛ばされた。


「蒼真!」


凛の声が響く。


「凛!」


しかし、蒼真の前には火遁の忍。


蓮司の前には土遁の忍。


レイの前には雷遁の忍。


そして凛の前には水遁の忍。


再び四人が分断された。


「最初と同じだな」


蓮司が刀を構える。


「でも、さっきとは違う」


蒼真は風影刀を握り直した。


「敵の術を消すんじゃない」


凛が水を纏う。


「利用するんだ」


レイは二本の短刀を構えた。


「……反撃開始」


その瞬間、四人の忍が同時に印を結んだ。


「火遁!」


「水遁!」


「土遁!」


「雷遁!」


四種類の忍術が、再び放たれる。


今度は――。


蒼真たちの反撃が始まろうとしていた。


第85話 完

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