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第8話「風遁修行」
翌朝。
蒼真はいつもより早く修練場に来ていた。
「今日は風遁を鍛える」
蒼真は木刀を置き、両手を前に出す。
「風遁……!」
風が蒼真の周囲を舞う。
しかし、すぐに乱れてしまった。
「くっ……!」
そこへ蓮司がやってくる。
「朝からやってるのか?」
「ああ。昨日、師匠に言われただろ。もっと強くならないと」
「でも、焦りすぎるなよ」
「分かってる」
「絶対分かってない顔してるぞ」
蒼真は苦笑した。
「じゃあ、見ててくれ」
「おう」
蒼真は再び集中する。
風を強くするのではなく、風の流れを感じる。
木々の間を抜ける風。
地面を這う風。
頬を撫でる風。
「……これだ」
風が蒼真の手元に集まっていく。
「風遁・風刃!」
鋭い風が前方の木へ飛んだ。
ザンッ!
木の表面に深い傷が刻まれる。
蓮司が目を丸くする。
「おいおい……昨日より全然強くなってるぞ」
蒼真は息を切らしながら笑った。
「少しだけ、風が分かってきた」
「その調子なら、次の任務も大丈夫そうだな」
その言葉を聞いた蒼真の表情が引き締まる。
「次は、もっと上手くやる」
蒼真は再び構えた。
その姿を、遠くから影宗が見ていた。
「風を感じ始めたか……」
影宗は静かに目を細める。
蒼真の風遁は、少しずつだが確実に成長していた。
第8話・完




