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影狼ノ忍  作者: 次男坊
第3章「風遁修行編」
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第77話「四人対迅牙」

森の中。


蒼真、蓮司、凛、レイの四人が、迅牙を囲んでいた。


迅牙は刀を肩に担ぎ、四人を順番に見渡す。


「四人で囲めば勝てると思っているのか?」


蓮司が木刀を構える。


「やってみなきゃ分からないだろ」


凛が迅牙の左右を確認する。


「今度は逃がさない」


レイは無言で短刀を構えた。


蒼真が風影刀を握る。


「全員、さっきの連携でいく」


四人が同時に動いた。


「水遁・水弾!」


凛が放った水の弾丸が迅牙へ飛ぶ。


迅牙は横へ跳ぶ。


その着地点へ――


「風遁・風弾!」


蒼真の風弾が叩き込まれる。


迅牙は刀を振り、風弾を斬り裂いた。


「甘い!」


そこへ蓮司。


「うおおっ!」


木刀が振り下ろされる。


ガンッ!


迅牙が受け止める。


「力任せか!」


「それだけじゃない!」


蓮司が木刀を引いた。


迅牙の身体が前へ流れる。


そこへレイが入った。


「もらった」


二本の短刀が左右から迫る。


迅牙は身を沈めた。


刃が頭上を通過する。


「雷遁・瞬雷歩!」


バチィッ!


迅牙の身体が加速した。


四人の間を一瞬で駆け抜ける。


「速い!」


凛が振り返る。


迅牙はすでに蒼真の背後にいた。


刀を振り上げる。


「蒼真!」


ガキィン!


蒼真が振り返りざまに受け止めた。


雷が風影刀へ流れ込む。


「ぐっ……!」


腕が痺れる。


迅牙が刀を押し込む。


「お前が連携の中心だ」


蒼真の足が後ろへ下がる。


「だから最初に潰す」


「させるか!」


蓮司が横から斬り込む。


迅牙が蒼真から離れる。


しかし――


「水遁・水縛!」


凛の水が迅牙の足へ絡みついた。


「捕まえた!」


水が両足を締め付ける。


迅牙が動きを止める。


「今だ!」


蒼真が踏み込む。


「風遁・風刃!」


風の刃が迅牙へ迫る。


迅牙は刀を振った。


だが、完全には防げない。


ザッ!


肩を風刃が切り裂く。


「ぐっ……!」


血が飛ぶ。


「入った!」


蓮司が叫ぶ。


しかし迅牙は倒れない。


水縛を力任せに引きちぎる。


バシャッ!


「まだだ!」


迅牙の周囲に雷が広がった。


「雷遁・雷走!」


バチバチバチッ!


地面を走った雷が四人へ向かう。


「散れ!」


蒼真が叫ぶ。


四人がそれぞれ別方向へ飛ぶ。


雷が地面を焼いた。


凛が着地した瞬間、足元が崩れる。


「えっ……!」


迅牙が刀で地面を斬ったのだ。


地面に細い亀裂が走っている。


凛の足が沈む。


「凛!」


レイが助けに向かう。


だが、その前に迅牙が割り込んだ。


「一人ずつ崩す」


「……!」


レイと迅牙が向かい合う。


レイが二本の短刀を構える。


「また俺か」


「お前が一番厄介だからな」


迅牙の足元に雷が集まる。


バチッ!


レイも一歩踏み込む。


二人の刃が交差する。


ガキィン!


迅牙が右へ。


レイが追う。


ガキン!


左へ。


レイも回る。


ガキン!


互いの攻撃がぶつかる。


その間に蒼真は凛を引き上げ、蓮司が二人の前に立った。


「レイだけに任せるな!」


「分かってる!」


蒼真が風を読む。


迅牙の雷。


足の動き。


刀の軌道。


その全てを感じ取る。


「次は――左!」


レイが反応する。


迅牙が左へ踏み込む。


レイは先回りして短刀を振った。


迅牙が止まる。


「……!」


初めて、完全に動きを読まれた。


蒼真が叫ぶ。


「今だ!」


蓮司が踏み込む。


「はあっ!」


木刀が迅牙へ迫る。


凛も手を伸ばす。


「水遁・水槍!」


水の槍が一直線に飛ぶ。


迅牙の逃げ道は三方向から塞がれた。


それでも迅牙は笑った。


「なるほど」


雷がさらに強くなる。


「四人の連携……ようやく形になってきたな」


バチィィッ!


迅牙の身体から、今までとは比べものにならないほどの雷が噴き出した。


蒼真の表情が変わる。


「……まだ速度を上げるつもりか」


迅牙が刀を構える。


「ここからが本番だ」


森の中に雷鳴が響いた。


第77話 完

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