↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
影狼ノ忍  作者: 次男坊
第3章「風遁修行編」
PR
75/178

第75話「雷遁・瞬雷歩」

迅牙が低く身を沈めた。


次の瞬間――


バチッ!


迅牙の身体から青白い電流が走る。


「雷遁……?」


蒼真が目を見開く。


迅牙の足元に雷が集まっていく。


「雷遁・瞬雷歩」


ドンッ!


地面を蹴った瞬間、迅牙の姿が消えた。


「速い!」


蒼真が風を読む。


右。


いや――


「上!」


蒼真が叫んだ。


迅牙が木の枝を蹴って空中から急降下する。


「雷刃!」


刀に雷を纏わせ、蒼真へ斬り込む。


ガキィン!


蒼真が風影刀で受け止めた。


「ぐっ……!」


雷が刀を伝わり、腕へ走る。


「くっ!」


蒼真が後ろへ飛ぶ。


「蒼真!」


凛が水遁を構える。


「水遁・水壁!」


水の壁が二人の間に立ち上がる。


迅牙が刀を振る。


バチィン!


雷を纏った斬撃が水壁へ叩き込まれる。


「凛、下がれ!」


蒼真が叫ぶ。


だが凛は退かなかった。


「まだ!」


水壁を厚くする。


雷が水へ広がる。


凛の身体にも電流が伝わる。


「……っ!」


膝が震える。


「凛!」


蓮司が飛び込んだ。


木刀を振り抜く。


ガンッ!


迅牙の刀を弾く。


「仲間に触るな!」


迅牙が後ろへ跳ぶ。


その瞬間、レイが背後へ回った。


「今度は俺だ」


二本の短刀が迅牙へ迫る。


迅牙は身体を捻る。


一本をかわす。


二本目が頬を掠める。


「……!」


赤い線が頬に浮かんだ。


レイは距離を取る。


「当たった」


迅牙が頬を指でなぞる。


「なるほど」


刀を構え直す。


「お前も速くなったな」


「お前には負けない」


レイが低く構える。


迅牙の足元から、再び雷が弾ける。


「なら――」


バチッ!


迅牙が消える。


レイも同時に動いた。


ガキン!


二人の刃がぶつかる。


一度。


二度。


三度。


互いの姿が木々の間を駆け抜ける。


「見えない……」


蓮司が呟く。


蒼真は目を閉じた。


「音じゃない」


風を感じる。


木々を抜ける空気。


二人が走ることで生まれる風。


「右!」


蒼真が叫ぶ。


レイが振り向く。


迅牙の刀が迫る。


ギリッ!


レイは二本の短刀を交差させて受け止めた。


「……読まれたか」


「蒼真の風は厄介だな」


迅牙が刀を押し込む。


レイの足が地面を削る。


「でも――」


レイの左手が動く。


短刀が迅牙の刀を滑らせる。


右手の短刀が迅牙の胴へ迫る。


迅牙が身体を反らす。


ギリギリでかわした。


レイは追撃する。


「逃がさない!」


二本の短刀が連続して振られる。


迅牙は雷遁で加速しながらかわしていく。


ガキン!


ガキン!


ザッ!


木々に刃の跡が刻まれていく。


その戦いを見ながら、蓮司が木刀を握り直した。


「俺も行く!」


「待て!」


蒼真が止める。


「今はレイの戦いだ」


蓮司が止まる。


レイは一人で迅牙と渡り合っている。


だが――


迅牙の身体から雷がさらに強くなる。


「ここからだ」


レイの表情が険しくなる。


「……!」


迅牙の姿が再び消えた。


今度は、さっきより速い。


レイの目が追いつかない。


「レイ!」


蒼真が叫ぶ。


しかし――


ドンッ!


レイの身体が吹き飛んだ。


「ぐっ!」


地面を転がる。


二本の短刀が手から離れた。


迅牙が刀を構える。


「まだ終わりではない」


レイはゆっくり立ち上がった。


口元から血が流れる。


それでも短刀を拾う。


「……そうだな」


二本の短刀を握り直す。


「俺も、まだ終わってない」


迅牙との距離が縮まる。


雷と二刀。


二人の忍が、再び同時に地面を蹴った。


第75話 完

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。