第6話「帰還と報告」
夕方。
蒼真たちは黒影衆の里へ戻ってきた。
「お疲れ様でした」
門番に声をかけられ、五人はそのまま本部へ向かう。
蒼真は歩きながら蓮司を見る。
「やっと帰ってきたな」
「初任務にしては散々だったけどな」
「……あの忍びのせいだ」
二人が話していると、隊長が振り返った。
「私たちの任務は完了した。あとは報告だ」
「はい」
本部に入ると、影宗が待っていた。
「戻ったか」
隊長が一歩前へ出る。
「任務の報告をします」
砦の兵力、配置、武器の保管場所。
五人が確認した情報を順番に伝えていく。
影宗は黙って聞いていた。
そして最後に、隊長が話す。
「問題は、我々以外の忍びが砦に侵入していたことです」
影宗の表情が変わった。
「詳しく話せ」
蒼真が口を開く。
「黒装束の忍びでした。俺たちの能力まで見抜いていました」
「何と言っていた?」
「俺には……風遁の力があるって」
影宗は少し黙った。
「顔は?」
「見ていません。すぐに消えました」
「そうか」
影宗はそれ以上聞かなかった。
蒼真は気になって尋ねる。
「師匠。あいつは何者なんですか?」
「今は分からん」
「でも、何か知っているんですよね?」
影宗は蒼真を見る。
「……お前はまだ知らなくていい」
その言葉が、蒼真の胸に引っかかった。
「はい……」
報告を終え、蒼真と蓮司は本部を出る。
「影宗様、何か隠してたな」
蓮司が呟く。
蒼真も頷く。
「俺もそう思う」
初任務は終わった。
だが――
蒼真の中には、新たな疑問が残った。
あの謎の忍びは何者なのか。
そして、なぜ自分の風遁を知っていたのか。
その答えを知る日は、まだ遠い。
第6話・完




