第59話「封印の守護者」
ゴゴゴゴゴ……。
石の扉がゆっくりと開いていく。
「来るぞ……」
蓮司が刀を構える。
凛も身構えた。
「何が出てくるの……?」
蒼真は風影刀を握り締める。
「分からない。でも、ここで止める」
扉の向こうから、一人の男が姿を現した。
黒い忍装束。
長い髪。
そして、手には古びた一本の刀。
「人……?」
レイが目を細める。
男は四人を見渡した。
「……風継ぎ」
蒼真が前へ出る。
「お前は何者だ?」
「俺は、この場所を守る者」
男が刀を抜く。
「封印守・玄真」
凛が驚く。
「封印を守っていたの?」
「そうだ」
玄真は蒼真の風影刀を見る。
「だが、封印が弱まった今、お前を通すわけにはいかない」
「俺たちは封印を壊しに来たんじゃない!」
「それを証明してみろ」
玄真が構える。
次の瞬間――
シュン!
一瞬で蒼真の目の前まで迫った。
「速い!」
蒼真が刀で受ける。
ガキィン!
強烈な衝撃。
蒼真の足が後ろへ滑る。
「蒼真!」
蓮司が斬り込む。
玄真は身体をひねってかわした。
「二人目」
レイが反対側から迫る。
「なら、三人目」
短刀が玄真の肩を狙う。
しかし玄真は刀の柄で弾いた。
「まだだ」
凛が印を結ぶ。
「水遁・水弾!」
水の弾丸が飛ぶ。
玄真は刀を振り、全てを切り裂いた。
「強い……!」
凛が息を呑む。
玄真は刀を下ろした。
「力だけでは、この場所を守れない」
蒼真が立ち上がる。
「じゃあ、何を見てる?」
「お前が何を守ろうとしているかだ」
蒼真が黙る。
玄真は静かに続ける。
「この地下に眠る力を手に入れたいのか」
「違う」
「ならば何のために来た?」
蒼真は迷わず答えた。
「村の人たちを守るためだ」
玄真の目がわずかに変わった。
「……そうか」
その瞬間。
地下の奥から黒い煙が噴き出した。
「なっ……!」
玄真が振り返る。
「夜叉衆……!」
黒い煙の中から、複数の忍びが姿を現す。
「ようやく見つけたぞ」
蒼真が刀を構える。
「夜叉衆……!」
玄真も刀を握り直した。
「どうやら、試している場合ではなくなったな」
蓮司が笑う。
「だったら話は早い」
レイが短刀を構える。
「一緒に戦う」
玄真は一瞬だけ三人を見る。
「……任せる」
蒼真が前へ出る。
「行くぞ!」
四人が同時に駆け出した。
夜叉衆の忍びたちが一斉に襲いかかる。
その奥には――
黒い煙に覆われた巨大な封印石があった。
そして、その封印石には一本の文字が刻まれていた。
『風継ぎが選ぶ時、封印は決まる』
第59話・完




