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影狼ノ忍  作者: 次男坊
第2章「北東村・異変編」
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第58話「目覚める封印」

ドン……!


地下空間が再び揺れた。


「な、何……?」


凛が周囲を見回す。


蒼真は風影刀を構えた。


「どこからだ?」


古びた忍装束の男が、地下の奥を見つめる。


「封印の間だ」


「そこに何がいる?」


男は少し黙った。


「かつて、風継ぎたちが封じたものだ」


「だから、それは何なんだ!」


「分からない」


蒼真が驚く。


「分からない?」


「あまりにも危険だった。だから記録からも消された」


その直後――


バキッ!


地下の奥で何かが砕ける音がした。


凛が身構える。


「封印が……」


男が走り出す。


「急げ! ここから離れるぞ!」


「待って!」


蒼真も追いかける。


そのとき。


「蒼真!」


後ろから声が響いた。


振り返ると、蓮司とレイが階段を下りてきていた。


「蓮司!」


「無事か?」


「ああ。でも、地下の奥で何かが目覚めようとしてる」


蓮司が刀を抜く。


「だったら俺たちも行く」


レイも短刀を構える。


「四人なら、何とかなる」


凛が頷く。


「気をつけて。何がいるのか分からない」


五人は地下の奥へ進んだ。


しばらくすると、巨大な石の扉が見えてきた。


扉には、幾重にも封印の文字が刻まれている。


しかし――


その一部が黒く染まっていた。


「これ……」


凛が扉を見る。


「夜叉衆の術?」


男が首を横に振る。


「違う」


「じゃあ、何?」


「中にいるものが、自分の力で封印を壊している」


ゴゴゴゴゴ……。


扉が大きく震える。


蒼真が一歩前へ出た。


「俺が止める」


「待て!」


男が叫ぶ。


「お前一人では無理だ!」


「でも、何もしなかったら村まで危ない!」


蒼真が風影刀を握り締める。


その瞬間――


風影刀が強く輝いた。


「……!」


石の扉に刻まれた紋章も同時に光り始める。


男が目を見開く。


「風影刀が……封印に反応している」


蒼真は刀を見つめた。


「俺に何をしろっていうんだ……?」


扉の向こうから、低い声が響いた。


『……風継ぎ……』


全員が凍りつく。


『……久しいな……』


ドンッ!


石の扉に大きな亀裂が走った。


「来る!」


蓮司が刀を構える。


レイも短刀を握り直す。


凛は水遁の構えを取った。


蒼真は風影刀を正面に構える。


そして――


扉が、ゆっくりと開き始めた。


第58話・完

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