第52話「鉄鬼のゴウ」
北東村の外れ。
鉄鬼のゴウが、巨大な刀を振り下ろした。
「うおおっ!」
蒼真は横へ飛ぶ。
ドォン!
地面が大きく砕けた。
「……一撃でこれかよ」
蓮司が息を呑む。
ゴウはゆっくり刀を持ち上げる。
「避けるだけか?」
「そんなわけないだろ!」
蒼真が風をまとって突っ込む。
「風遁・風刃!」
風を纏った斬撃がゴウの肩を狙う。
しかし――
ガキィン!
ゴウは巨大な刀で受け止めた。
「軽いな」
「くっ!」
ゴウが刀を横薙ぎに振る。
蒼真は後ろへ飛ぶが、衝撃で吹き飛ばされる。
「蒼真!」
蓮司が駆け寄る。
「大丈夫だ」
蒼真は立ち上がる。
レイがゴウを睨む。
「俺たち三人で時間を稼ぐ」
「凛もいる」
凛が印を結ぶ。
「四人で戦おう」
ゴウが笑う。
「仲間に頼るか。悪くない」
蓮司が斬り込む。
「うおっ!」
ガキィン!
ゴウが刀で受け止める。
その隙にレイが背後へ回る。
「そこだ!」
二本の短刀が閃く。
しかしゴウは身体を捻り、短刀を弾き飛ばした。
「速いだけでは倒せんぞ」
凛が術を放つ。
「水遁・水流!」
水流がゴウの足元を包む。
「蒼真!」
「分かった!」
蒼真が一気に踏み込む。
「風遁・風刃!」
ゴウの刀と風影刀が激しくぶつかる。
「今度は少し重くなったな」
「まだだ!」
蒼真の風がさらに強くなる。
ゴウの足が地面を滑った。
「……ほう」
初めてゴウの表情から笑みが消えた。
「少しは楽しめそうだ」
ゴウは巨大な刀を構え直す。
「ならば、次は本気で行く」
蒼真も風影刀を握り直す。
「来い!」
二人の殺気がぶつかり合う。
その瞬間――
村の奥から悲鳴が響いた。
「助けて!」
蒼真が振り返る。
ゴウは笑った。
「戦いは、まだ始まったばかりだ」
第52話・完




