第51話「四刃衆」
夜叉衆の本拠地。
暗い部屋に、四人の忍びが集まっていた。
その中央に、黒牙のガクが立っている。
「風継ぎが目覚め始めた」
一人の男が口を開く。
「お前が負けたのか?」
「負けてはいない。ただ……想像以上に成長が早い」
別の忍びが笑う。
「なら、次は俺が行こう」
ガクが振り返る。
「焦るな。まだ出る時じゃない」
その言葉に、奥にいた男が立ち上がった。
「俺はそうは思わない」
低い声。
その男の背中には、大きな刀が一本。
「風継ぎは今のうちに潰すべきだ」
ガクが睨む。
「お前が行くのか?」
「いや」
男は笑った。
「まずは俺の部下を送る」
一方、北東村。
蒼真たちは村人の安全を確認していた。
「夜叉衆がまた来るかもしれない」
凛が不安そうに言う。
「来たら、また戦う」
蓮司が刀を肩に担ぐ。
レイは村の外を見ていた。
「……来る」
「え?」
「今度は一人じゃない」
森の中から、複数の気配。
蒼真が風を感じ取る。
「十人……いや、もっといる」
蓮司が刀を抜く。
「また夜叉衆か!」
木々の間から、黒装束の忍びたちが現れた。
その先頭に立っていたのは――
巨大な刀を背負った男だった。
「風継ぎはどいつだ?」
蒼真が前へ出る。
「俺だ」
男は蒼真を見る。
「そうか」
ゆっくりと刀を抜く。
「俺は夜叉衆・四刃衆――」
男の殺気が一気に膨れ上がる。
「鉄鬼のゴウ」
蒼真は風影刀を構える。
「……今度の敵は、ガクより強そうだ」
ゴウが笑う。
「当然だ」
そして――
大地を踏み砕くほどの勢いで、蒼真へ突進した。
第51話・完




