第45話「風刃の試練」
風の道。
蒼真の前から、無数の風刃が飛んでくる。
「くっ!」
蒼真は刀で弾く。
しかし――
次々と風刃が襲ってくる。
「速すぎる……!」
蒼真は後ろへ飛び退く。
だが、背後からも風刃が迫っていた。
「囲まれた……!」
蒼真は目を閉じる。
風の音だけを聞く。
右。
左。
前。
そして――
「そこだ!」
蒼真が身体をひねる。
風刃が頬をかすめた。
「見える……」
目で追うのではない。
風の流れを感じて、攻撃を読む。
蒼真は走り出した。
「風遁!」
自分の周囲に風をまとわせる。
迫る風刃をかわしながら、一気に奥へ進む。
「まだだ!」
最後の巨大な風刃が正面から迫る。
蒼真は刀を構えた。
「風と戦うんじゃない……」
風の流れを感じる。
「風と共に動く!」
蒼真が身体を滑らせるように動いた。
巨大な風刃が、目の前を通り過ぎる。
そして――
風が止まった。
蒼真は息を整える。
「……終わった?」
その瞬間、地面に一本の線が浮かび上がった。
線の先には、古びた石碑がある。
石碑には一文字だけ刻まれていた。
『心』
蒼真は石碑の前に立つ。
すると、どこからともなく声が響いた。
『力を得たいか』
蒼真は答える。
「強くなりたい」
『なぜだ』
蒼真は少し考えた。
そして答える。
「仲間を守りたいからだ」
静寂。
やがて石碑が淡く光った。
『ならば、次へ進め』
目の前に新たな道が開く。
蒼真は一歩踏み出した。
その頃、外では――
蓮司が腕を組んで待っていた。
「蒼真、遅いな」
凛が石門を見る。
「まだ試練の途中みたい」
レイは森の奥を警戒していた。
「……誰かいる」
「え?」
レイが刀を抜く。
木々の向こうから、複数の気配が近づいていた。
第45話・完




