第44話「風継ぎの試練」
神社の地下。
蒼真たちは、天影衆のカイが残した言葉について話していた。
「風継ぎになるには、試練が必要……」
蒼真は風影刀を見つめる。
蓮司が腕を組む。
「でも、どこで試練を受けるんだ?」
凛が答える。
「神社の奥に、古い修行場がある」
「そんな場所が?」
「昔、風を使う忍びが修行していた場所」
レイが立ち上がる。
「行ってみよう」
四人は神社の裏手へ向かった。
森を抜けると、崩れかけた石門があった。
蒼真が近づいた瞬間、風影刀が震える。
「ここだ……」
石門には文字が刻まれていた。
『風を制する者ではなく、風と共に進む者のみ通れ』
蒼真が手を伸ばす。
すると――
ビュオッ!
強い風が吹き抜けた。
「うわっ!」
蓮司たちが後ろへ下がる。
蒼真だけが、その場に立っていた。
「蒼真!」
「大丈夫だ!」
蒼真は風の中で目を閉じる。
風に逆らわず、流れに身を任せる。
すると、目の前にあった石門がゆっくり開いた。
蓮司が驚く。
「開いた……」
蒼真は中を見る。
そこには一本の細い道が続いていた。
「ここからが試練だ」
レイが言う。
蒼真は頷いた。
「俺一人で行く」
蓮司が驚く。
「一人で?」
「ああ。これは俺自身の試練だから」
凛が静かに蒼真を見る。
「気をつけて」
「ありがとう」
蒼真は一人、風の道へ踏み込んだ。
その瞬間、背後の石門が閉じる。
そして前方から――
無数の風の刃が飛んできた。
蒼真は刀を構える。
「……これが、試練か」
第44話・完




