第43話「天影衆」
地下室。
蒼真は刀を構えたまま、目の前の忍びを見つめていた。
「天影衆……」
忍びは頷く。
「俺の名は白峰カイ」
蓮司が警戒する。
「本当に俺たちを守るつもりなのか?」
「そのつもりだ」
レイが尋ねる。
「なら、なぜ村を襲った?」
カイは首を横に振る。
「俺たちじゃない」
蒼真が眉をひそめる。
「じゃあ、誰が?」
「夜叉衆だ」
カイは巻物を見る。
「夜叉衆は、風影刀を奪うためなら村人すら利用する」
凛が尋ねる。
「でも、あなたたちは何を知ってるの?」
カイは蒼真を見る。
「風継ぎの力についてだ」
蒼真は黙っている。
「風影刀を持っただけでは、風継ぎにはなれない」
「じゃあ、何が必要なんだ?」
「試練だ」
蒼真の表情が変わる。
「どんな試練?」
「それは、まだ教えられない」
蓮司がため息をつく。
「また秘密かよ」
カイは少し笑った。
「すべてを知る時ではない」
蒼真は刀を鞘に収める。
「分かった。でも、一つだけ聞きたい」
「何だ?」
「夜叉衆の目的は?」
カイの表情が険しくなる。
「風影刀を使って、ある場所を開こうとしている」
「ある場所?」
「古代忍術が封印された場所だ」
蒼真が息を呑む。
「そこに何がある?」
カイは答えなかった。
「それを知るためにも、まずは風継ぎとしての力を目覚めさせろ」
カイは窓へ向かう。
「待て!」
蒼真が呼び止める。
「次はいつ会える?」
カイは振り返らずに答えた。
「お前が、本当の風を掴んだ時だ」
次の瞬間、カイの姿は消えていた。
蓮司が呟く。
「謎だらけだな」
蒼真は風影刀を握る。
「でも、一つ分かった」
「何?」
「俺はもっと強くならないといけない」
凛が静かに頷いた。
そして遠く離れた森の中。
カイは一人、夜叉衆の動きを見つめていた。
「風継ぎを守るためにも……急がなければならない」
第43話・完




