第39話「第三の忍び」
北東村。
蒼真たちが到着すると、村の入口に数人の村人が集まっていた。
「何があった?」
蒼真が駆け寄る。
村人の一人が答える。
「さっき、黒装束の忍びたちが村に入ってきたんだ!」
蓮司が眉をひそめる。
「夜叉衆か?」
「分からない……でも、村人には手を出さず、神社の方へ向かった」
蒼真は凛を見る。
「神社?」
凛は頷いた。
「前に行った神社と同じ場所」
レイが周囲を見渡す。
「……まだ近くにいる」
「分かるのか?」
「気配が残ってる」
四人は神社へ向かった。
境内に入ると、地面に新しい足跡が残っていた。
蒼真がしゃがみ込む。
「三人……いや、四人か」
レイが首を振る。
「五人いる」
「五人?」
レイは森の奥を見る。
「一人だけ、気配を消してる」
その瞬間――
ヒュッ!
一本の苦無が飛んできた。
蒼真が刀で弾く。
「そこだ!」
レイが森へ飛び込む。
木々の間から、一人の忍びが姿を現した。
黒影衆とも夜叉衆とも違う額当て。
「お前たちは何者だ?」
蒼真が問いかける。
忍びは答えない。
ただ、蒼真の風影刀を見る。
「……やはり、お前か」
「何を知ってる?」
忍びは印を結ぶ。
「風継ぎは、まだ目覚めていない」
蒼真が構える。
「どういう意味だ!」
忍びは煙玉を投げた。
煙が晴れた時、姿は消えていた。
蓮司がため息をつく。
「また逃げた……」
凛が小さく呟く。
「夜叉衆じゃないなら……」
レイが続けた。
「第三の勢力だ」
蒼真は風影刀を見る。
夜叉衆。
黒影衆。
そして、正体不明の第三の忍び。
風影刀を巡る戦いは、少しずつ複雑になり始めていた。
第39話・完




