第34話「夜叉衆の追手」
社の外。
黒装束の忍びたちが、蒼真たちを取り囲んでいた。
「蒼真、数が多いぞ」
蓮司が刀を抜く。
「凛は下がって」
凛が頷く。
「気をつけて」
先頭の忍びが一歩前へ出る。
「風影刀を渡せ」
蒼真は刀を構えた。
「嫌だ」
「ならば奪う」
敵が一斉に飛び込んでくる。
「来るぞ!」
蓮司が迎え撃つ。
ガキィン!
蒼真も別の忍びと斬り結ぶ。
「風遁!」
風刃が敵の足元を切り裂く。
「ぐっ!」
敵が後退する。
その隙に別の忍びが凛へ向かった。
「凛!」
蒼真が駆け出す。
だが、敵の苦無が迫る。
カンッ!
蓮司が刀で弾いた。
「俺がいるぞ!」
「助かった!」
蓮司は敵を押し返す。
「凛、社の奥へ!」
「分かった!」
凛が走る。
先頭の忍びが蒼真へ迫った。
「お前の風遁は、まだ未完成だ」
「それがどうした!」
蒼真が刀を振る。
敵はかわし、背後へ回る。
「遅い!」
苦無が蒼真へ迫る。
その瞬間、風影刀が強く震えた。
「……!」
蒼真の身体が自然に動く。
風を感じ、敵の攻撃を紙一重でかわした。
「何!?」
蒼真は振り返る。
「風が……教えてくれた」
風が刀身を包む。
「これが、この刀の力か!」
蒼真が踏み込む。
「風遁・風刃!」
風の刃が敵を吹き飛ばした。
先頭の忍びが驚く。
「まさか……もう使い始めたのか」
「何の話だ!」
敵は煙玉を投げる。
「今日は退く!」
煙が広がり、夜叉衆は一斉に姿を消した。
蓮司が周囲を確認する。
「逃げたな」
蒼真は刀を見つめる。
「まだ何も分からない……」
凛が社の奥から戻ってきた。
「でも、これだけは分かった」
「何?」
凛は蒼真を見る。
「夜叉衆は、あなたを探してる」
蒼真は黙って刀を握った。
第34話・完




