第20話「古き隠れ里」
翌朝。
蒼真と蓮司は、古い地図を手に山道を進んでいた。
「本当にこの先にあるのか?」
蓮司が尋ねる。
「地図では、この辺りだ」
「随分と険しいな」
二人は木々の間を進んでいく。
しばらくすると、蒼真が足を止めた。
「……風が変わった」
「またか?」
「ああ。何かある」
蒼真は風の流れを追う。
その先には、崩れた石垣があった。
「ここだ」
石垣の奥へ進むと、古びた建物や井戸が残されていた。
蓮司が周囲を見渡す。
「これが昔の忍びの隠れ里か……」
「かなり古いな」
蒼真は地面に残された足跡に気づいた。
「待て」
「どうした?」
「俺たち以外の足跡がある」
二人は顔を見合わせる。
足跡は、里の奥へ続いていた。
「夜叉衆か?」
「分からない。でも、誰かが最近ここへ来てる」
蒼真たちは慎重に進む。
すると、古い建物の壁に黒い鬼の印が刻まれていた。
「やっぱり夜叉衆だ」
蓮司が刀に手をかける。
その時、建物の中から物音がした。
蒼真が静かに刀を抜く。
「誰かいる」
二人が建物へ近づいた瞬間――
屋根から一人の忍びが飛び降りた。
「来ると思っていたぞ」
蒼真は構える。
「夜叉衆……!」
忍びは笑った。
「黒影衆の少年。お前が来ることは、最初から分かっていた」
「どういう意味だ?」
「この場所には、お前たちが探しているものがある」
蒼真の目が鋭くなる。
「何がある?」
忍びは答えず、印の刻まれた建物を指差した。
「知りたければ、自分の目で確かめろ」
そう言うと、忍びは煙玉を投げた。
「待て!」
煙が晴れた時、姿は消えていた。
蒼真は建物を見る。
「……中に何かある」
蓮司が頷く。
「行こう」
二人は古い建物の扉を開いた。
その奥には、長い年月封じられていた地下への階段が続いていた。
第20話・完




