第19話「夜叉衆の狙い」
本部に戻った蒼真たちは、影宗から話を聞いていた。
「夜叉衆が何を狙っているのか、まだ分からない」
蓮司が尋ねる。
「じゃあ、どうして忍具を盗んだんです?」
「それを調べる必要がある」
影宗は地図を広げた。
「盗まれたのは、特殊な忍具だけだ」
蒼真が地図を見る。
「普通の武器じゃない?」
「ああ。どれも古い忍具だ」
「何か共通点があるんですか?」
影宗は少し黙った。
「……すべて、黒影衆が昔から保管していたものだ」
蒼真は顔を上げる。
「昔から?」
「そうだ」
影宗は地図の別の場所を指した。
「そして、その忍具が作られた場所がここだ」
「山の奥?」
蓮司が地図を覗き込む。
「昔の忍びの隠れ里だ」
蒼真は考える。
「夜叉衆は、そこに何かあると思ってる?」
「その可能性が高い」
影宗は二人を見る。
「だが、今すぐ向かうのは危険だ」
蒼真は頷く。
「分かりました」
本部を出た後、蓮司が蒼真を見る。
「どう思う?」
「夜叉衆は、何かを探してる」
「その何かが、昔の隠れ里にある」
「ああ」
蒼真は遠くの山を見る。
「だったら、先に見つけたい」
蓮司が笑う。
「また無茶する気か?」
「しないよ」
「その顔は絶対する顔だぞ」
「……じゃあ、一緒に来てくれ」
蓮司はため息をついた。
「最初からそのつもりだよ」
二人は顔を見合わせる。
その頃、山の奥では――。
「黒影衆が動き始めた」
夜叉衆の忍びが報告する。
その前に立つ男は、静かに答えた。
「構わない」
「追わせるのですか?」
「ああ」
男は黒い札を手に取る。
「奴らが隠れ里へ来れば、こちらの目的も進む」
第19話・完




