第14話「敵忍びの正体」
村へ戻った蒼真たちは、助け出した村人たちを集めていた。
「もう大丈夫です。黒影衆が守ります」
蒼真が声をかけると、村人たちは少しずつ落ち着きを取り戻した。
蓮司が周囲を見渡す。
「それにしても、あいつら何者なんだ?」
蒼真は先ほどの戦いを思い返す。
「分からない。でも、ただ村人をさらっていただけじゃないと思う」
その時、助け出した男性が口を開いた。
「一つだけ、分かることがある」
「何ですか?」
「奴らは自分たちのことを……夜叉衆と呼んでいた」
蒼真と蓮司が顔を見合わせる。
「夜叉衆……?」
男性は頷く。
「奴らが来る時、必ず同じ印を残していた」
男性が指差した先。
木の幹に、黒い鬼のような印が刻まれていた。
蒼真が近づく。
「この印……」
見覚えはない。
だが、普通の盗賊や敵兵が使うものではないことは分かった。
蓮司が小声で言う。
「新しい敵ってことか」
「たぶんな」
その時、蒼真は森の方を見る。
風が吹く。
木々の葉が揺れる。
「……まだいる」
「何?」
「遠くに誰かいる」
蒼真は森へ視線を向ける。
だが、気配はすぐに消えた。
「逃げたか」
蓮司がため息をつく。
「また追いかけっこかよ」
蒼真は刀を収める。
「今は村人を守る方が先だ」
その夜。
蒼真たちは村で夜を明かすことになった。
誰も知らない。
森の奥で、夜叉衆の忍びが蒼真たちを見つめていることを。
「風遁の少年……」
忍びは静かに呟いた。
「面白い奴が黒影衆にいるな」
そして、闇の中へ姿を消した。
第14話・完




