第12話「森の中の牢」
「……助けてくれ!」
森の奥から聞こえた声を追い、蒼真と蓮司は走っていた。
「この辺りだ!」
蒼真が足を止める。
目の前には、古びた小屋があった。
「ここから声がしたのか?」
「たぶん」
二人は慎重に近づく。
すると、小屋の床下から小さな音が聞こえた。
「誰かいる!」
蒼真が床板を外す。
その下には、木の柵で囲まれた狭い空間があった。
「村人だ!」
中には数人の村人が閉じ込められていた。
「助けてくれ!」
「もう大丈夫だ」
蒼真が柵を壊す。
村人たちが外へ出てくる。
蓮司が一人の男性に尋ねた。
「ここに何日閉じ込められてた?」
「三日だ……。夜になると忍びが来て、俺たちを連れてきた」
「何のために?」
男性は首を横に振る。
「分からない。ただ……」
「ただ?」
「一人ずつ、森の奥へ連れていかれた」
蒼真の表情が険しくなる。
「戻ってきた人は?」
「誰もいない」
その時、蒼真が顔を上げた。
「……静かに」
蓮司も周囲を警戒する。
森の中から、足音が近づいてくる。
一歩。
また一歩。
そして木々の隙間から、黒装束の忍びが姿を現した。
「見つけたか」
蒼真が刀を抜く。
「お前……!」
昨日の忍びとは違う。
だが、その装束には見覚えがあった。
黒装束の忍びが苦無を構える。
「村人を返してもらおう」
蓮司が笑う。
「それはこっちの台詞だ」
忍びが一気に踏み込む。
蒼真も刀を構えた。
「蓮司、村人を頼む!」
「任せろ!」
森の中で、二人の忍びが激突した。
第12話・完




