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影狼ノ忍  作者: 次男坊
第4章「夜叉衆暗躍編」
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第103話「起爆装置の仕組み」

「……壊し方を変える?」


蒼真の言葉に、風遁使いは黙っていた。


その背後では、起爆装置が赤く明滅している。


カチッ。


蒼真は風影刀を下ろさない。


「知ってることを話せ」


「話したところで、お前たちに止められるとは限らない」


「それでも聞く」


風遁使いは少しだけ目を細めた。


「……中央の黒い球体は、起爆装置そのものじゃない」


蒼真が装置を見る。


「じゃあ、何だ?」


「制御核だ」


風遁使いが続ける。


「地下に仕掛けられた起爆札は、あの制御核から流れるチャクラによって繋がっている」


「だから、壊せば逆流するのか」


「そうだ」


蓮司が近づく。


「じゃあ、どうすりゃいい?」


風遁使いは装置の周囲を指差した。


「四つの導線がある」


蒼真たちは目を凝らす。


黒い管が四方向へ伸びていた。


それぞれ別の通路へ繋がっている。


「この四本を同時に止めれば、制御核を切り離せる」


凛が問う。


「同時って……」


「一人では無理だ」


レイが短く答えた。


「四人必要」


風遁使いが頷く。


「四つの導線を同時に遮断し、その直後に制御核へ風の流れを送り込む」


蒼真が風影刀を見る。


「風……」


「そうだ」


風遁使いは蒼真を見る。


「制御核の内部には、一定方向へ流れるチャクラの循環がある。風遁なら、その流れを逆転させられる」


玄岳が口を挟んだ。


「ずいぶん喋るようになったな」


風遁使いが振り返る。


「もう俺の役目は終わった」


「そうか」


玄岳の黒雷が膨れ上がる。


「なら、黙らせる」


「待て!」


蒼真が前へ出る。


玄岳が黒雷を放った。


「黒雷遁・雷鳴煙!」


黒い煙が一気に広がる。


視界が消える。


「みんな、離れるな!」


蒼真の声が響く。


だが――。


ドンッ!


強烈な衝撃。


蒼真の身体が吹き飛ぶ。


「蒼真!」


凛が叫ぶ。


玄岳が煙の中から現れた。


「話し合いをしている時間はない」


「だったら……!」


蓮司が突っ込む。


土遁使いが立ちはだかる。


「お前の相手は俺だ」


「まだやるのかよ!」


「任務だからな」


二人の刀と拳がぶつかる。


一方、レイと雷遁使いも再び激突。


凛も火遁使いと向かい合う。


四人の戦いは、まだ終わっていない。


蒼真は風遁使いの言葉を思い出していた。


四本の導線。


同時に止める。


そして、風を送り込む。


「……だったら」


蒼真は装置を見る。


「俺たち四人でやるしかない」


凛が叫ぶ。


「でも、敵がいる!」


「だから、倒す!」


蒼真が風遁使いを見る。


「お前は戦えるか?」


風遁使いは傷を押さえながら立ち上がる。


「少しなら」


「じゃあ、導線の場所を教えてくれ」


風遁使いは四方向を指差す。


「北に一つ」


「東に一つ」


「西に一つ」


「南に一つ」


蒼真が頷く。


「分かった」


玄岳がそれを聞いていた。


「させると思うか?」


黒雷が地下全体へ広がる。


「黒雷遁・黒雷陣!」


バチバチバチッ!


床を走った黒雷が、四本の導線へ繋がる。


「導線そのものを黒雷で守るつもりか……!」


凛が驚く。


玄岳が笑う。


「四人の忍を倒して終わりだと思ったか?」


黒雷が四人の忍へ流れ込む。


風遁使いが苦しそうに膝をつく。


「これは……!」


「黒雷によって、四人の忍と導線を繋いだ」


玄岳が言う。


「お前たちが一人でも倒せば、その導線に黒雷が集中する」


蓮司が顔をしかめる。


「つまり……」


「一人を倒すだけでも、装置が危険になる」


蒼真が玄岳を睨む。


「……厄介な仕組みを作ったな」


「これが第二段階だ」


玄岳が拳を握る。


「お前たちは戦いながら、装置も守らなければならない」


玄岳が消えた。


「黒雷遁・黒雷走!」


蒼真の目の前へ現れる。


「速い!」


蒼真が風影刀で受ける。


ガキィン!


黒雷が刀身を伝わる。


蒼真はすぐに離れた。


「ぐっ……!」


左手が痺れる。


玄岳が追撃する。


蒼真は風を纏って回避。


そのまま風刃を放つ。


「風遁・風刃!」


玄岳が黒雷で弾く。


二人の戦いが再び始まる。


一方。


蓮司は土遁使いの攻撃を受け流しながら、導線を確認していた。


「北の導線……あそこか」


敵が岩拳を振る。


「よそ見するな!」


蓮司は身体を流す。


「よそ見じゃねぇ」


刀を構える。


「作戦を考えてんだよ!」


レイも雷遁使いの攻撃を避けながら導線を見る。


「東……」


凛は火遁を水壁で防ぎながら確認する。


「西……」


そして蒼真。


「南……」


四人の視線が一瞬だけ交わる。


それだけで十分だった。


蓮司が叫ぶ。


「蒼真!」


「分かってる!」


レイが続く。


「同時に行く」


凛も頷く。


「準備する!」


四人がそれぞれの敵を押し返す。


しかし玄岳が気づく。


「……作戦を立てたか」


玄岳の黒雷が強くなる。


「ならば、その前に潰す」


玄岳が蒼真へ突っ込む。


蒼真も迎え撃つ。


ガキィン!


黒雷と風がぶつかる。


「ここは通さない!」


「ならば、力ずくで通る!」


二人の攻防が激しくなる。


その横で蓮司が土遁使いを押し返す。


レイは雷遁使いの動きを読み始める。


凛は火遁使いの炎を水で削っていく。


四人の戦いは、少しずつ変わり始めていた。


敵を倒すためではない。


四本の導線を止めるために。


そして――。


起爆装置の赤い光が、また一段強くなる。


カチッ。


風遁使いが呟いた。


「……残り二段階だ」


蒼真は玄岳を睨む。


「次で終わらせる」


玄岳は黒雷をまといながら笑った。


「やってみろ」


第103話 完

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