表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/156

026 唯、テンプレを思い出す。

「…という状況でした。」




出来事をありのままに報告した。私基準せいで、どれほどの強敵だったかはわからないけど、数はたしかに多かった。




「私も7体ほど倒しましたので、合計すると30体ほどになったでしょうか?」




ガーネットが補足してくれる。




「そうですか…まずはお二人とも無事でなによりです。まぁ…ユイ殿は特に問題なさそうに思いますが。」




たしかに。攻撃されたシーンはともかくとして、別に痛くもかゆくもなかった。




―――でも…どちらかというと、敵さんの自滅というか…。




俊敏(しゅんびん)に避けるとか、そういった(たぐい)の身体能力は持ち合わせていない。攻撃される、武器が壊れる、そのままつかんで投げ飛ばす。以上の3点セットで戦っていた。バグステータスに頼りきった戦術。えっへん。




「迷いの森はご存知の通り、新人冒険者の登竜門と呼ばれている場所です。それなりの難易度はありますが、それは新人冒険者にとっての話です。私の知る限り、それほどのモンスターが現れたという事例は…。」




異常事態らしい。



険しい表情のクロックさん。私も何か胸騒ぎがする。ゲーム的な思考でいくと、何かイベントが発生する予感。











「大丈夫でしょうか…?」




ガーネット姫も心配な様子。




「何かイベントが…あ、えっと…普段とは違ったことが起きる前触れかもしれません…。でも、この町には冒険者さんもたくさんいらっしゃいますし。」




少しでも不安を取り除こうとがんばってはみたけど、ごくごく当たり前のことしか言葉にできなかった。もちろん、仮にこの町が襲撃されたとしても、私には例の最終手段がある。そう、氷の壁。持続時間があるけど、あれを撃ちまくればそうそうなことでは突破されないと思う。




―――町に籠城(ろうじょう)するかたちであっても、とりあえず守りきれれば…。




この世界は広い。他の町にもギルド支部はあるし、王都にあるギルド本部は最高戦力をそろえているらしい。つまり、守っていればいずれ包囲戦を展開できる。




「あの…こんなお願いをするのは都合がよすぎると思いますが…もしも、もしも大変なことが起きてしまったときには、一緒に戦っていただけますか?」




珍しく厳しい表情のガーネット姫。隣にいるとつい忘れがちだけど、ガーネットはこの国のお姫さまなのだ。王族としての責務。同い年の私には抱けない感情。




―――やっぱりお姫さまって…いや、ガーネットってすごい。




「もちろん!ガーネットと一緒に戦います!」




厄介ごとは苦手だけど、友だちが困っている。友だちとして、少しでも力になりたい。冒険者らしい感情の発露(はつろ)…とは言えないけど、私も「冒険者」に近づけている気がする。




「ユイ…ありがとうございます。」




頭を下げるガーネット姫。それを慌てて止める私。お礼をされるほどのこと、何もしていない。そんなドタバタをしていると、クロックさんが再びやってきた。やはりドアにぶつかりながら。




―――なんで、押すと引く、確認しないんだろう…。




もはや恒例行事となった「痛っ!…なんだ、引くか。」という発言を視線で受けながしつつ、次の言葉を促す。




「ギルド本部の方に報告しておきました。調査班が派遣されるようです。…あと、これは口外しないでいただきたいのですが…。」




そんな前置きをされると気になる。気になるというよりも、ちょっと怖くなる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ