表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
114/156

114 唯、フラグを回収する。

「ほわわわぁぁぁっ!?」


 魔法は見事に大暴走、絶対にまとっちゃいけない量の魔法(まほう)をまとった私。

 海面も揺れて大変なことになってるし、逃げだしたい気持ち100パーセント。

 どうも、フラグ回収率は99パーセント…今の見た目はスーパー○○○人、22歳のユイです。

 …って、自己紹介してる場合じゃなかった。


―――えっと…出力調せぃぃぃぃぃぃいっ!?


 調整用の画面を表示してみてびっくり。

 目ん玉飛んでいっちゃうかと思った…。

 出力表示…まさかの0。

 どうやら表示できる限界値を超えてたみたいで、数値ががふりきっちゃってる。


「と…とりあえず、バーを下げて…。」


 ちょっと震えてる右手をおさえて、画面をタッチ。

 フリルさまに教えてもらった数値まで。


―――初期設定…普通は低めだと思うじゃん…。


 今更(いまさら)ながらの言い訳を思い浮かべつつ、やっちまったオブザイヤー大賞候補筆頭の事態になんとか対応。

 範囲が全世界とかになってなかったのが不幸中の幸いで、魔法の影響は半径50メートルくらいでおさまってたみたい。

 ()てのない…なんとも言えない表情を浮かべつつ、魔法の基本書をぺらぺら。



―――【溢れる才知の唄】オーバーロード・アンビアンス

 身体の表面に魔法の力をまとわせる防御魔法の一。使用者の魔法の力によって耐久力が変化し、ある程度の物理攻撃も跳ね返すことができるようになる。一定以上の出力を維持することで、モンスター等に対するけん制効果を生じさせることもできる。

 発動前に自らの魔法の力や発動時間を考慮し、出力設定を行う必要がある。未設定で発動する場合、保有する魔法の力の半分を放出することになるため、注意が必要である。

―――



 うん…説明書読まない私が悪かった。

 出力調整しなきゃダメって書いてある。


「本当に危なかった…。」


 冷や汗ダラダラ。

 周囲を見てみると、シヤークと思しき巨影が…ぷかぷかと浮かんできてる。


―――おぅ…。


 私が原因とは思いたくないんだけど、私以外の原因が思いつかないという矛盾(むじゅん)

 とりあえず魔法の(あみ)でもって、目視できる範囲で回収する。


 シヤーク…初めてみたけど、なかなかに恐怖な見た目だった。

 基本は群青色(ぐんじょういろ)の魚って感じなんだけど、ガオーって雰囲気のキバがヤバい。

 ティラノサウルス顔負けといった(するど)さで、あごの発達もスゴイ。


「これは…お魚さんも逃げるよね…。」


 魚に同情する私。

 こんな怖いのが大群でやってきたら、そりゃ逃げる。

 一目散に逃げる。

 今は気を失ってて動かないからましだけど、泳いで向かってきたら私泣いちゃう。


―――うぅ…急ごう…。


 というわけで、氷魔法を操って浮かんでる残りのシヤークを確保。

 数えてないけど100匹くらいかな。


「よし、あとは探知魔法を使って…影の解析(ディティクション)!」


 シヤークの場所を確認。

 半径50メートル圏内をぎりぎり避けるようにして、シヤークがかたまってる。

 たぶん警戒されてる感じだと思うんだけど、それはそれで好都合。

 氷魔法の網で囲ってるし、逃げられる心配もなし。


―――あとは追いまわすだけだね…。


 ぐへへ。





「こっちから…こうかな?」


 探知魔法をたよりに、シヤークを特製「()()」へと誘導する方法を考え中。

 まとった魔法のおかげで、私が近づけば逃げてくれる。

 フリルさまには何も考えず片っ端から追い掛け回せば大丈夫って言われてるけど、たまには効率性というものも考えてみたいお年頃なのです。


―――かたつむりの…ぐるぐるみたいにしようかな?


 入口を広くして、徐々に(せば)めていこう大作戦。

 魔法が大暴走したせい…コホン、おかげで、シヤークは警戒のために集まってるし…今がチャンス。

 海は広いし大きいので、私のエキセントリックな芸術センスでもなんとかなる。


「氷山の涙―――チップ・オブ・ザ・アイス!」


 氷魔法で網をどんどん作って、誘導コースを確保。

 異変に気づいた様子のシヤークだったけど、てのひらの上とはこのこと。

 バグステータスと無限(むげん)の魔法、合わせ技一本の作戦に逃げ道はないのであーる。

 えっへん。


―――ここで…こう!


 自信満々に描きあげた自称天才画家の私。

 ちょっと…いや、かなり不格好(ぶかっこう)になっちゃったけど、なんとか渦巻(うずま)き模様に網の設置完了。

 フリルさまにツッコミをいれられそうな完成度だけど、結果よければなんとやら。


 というわけで、魔法の出力をちょびっと上げる。

 海底にまで届くようにして、あとは海上をゆっくり進むだけ。


「出発進行!」


 コースを設置して、両サイドに網も展開。

 数匹逃すぶんには問題ないらしいので、ちょっとぐらいは気にせず進む。

 探知魔法でチェックしつつ、海上をすいすい。


―――順調だねー。あれ…?


 そこで気づいた私。

 今、魔法を5つも同時に使えてる。

 即席ジェットコースター関連で2つ、シヤーク捕獲関連で3つ。

 できることが増えるとやっぱりうれしいお年頃。


 せっかくなので鼻唄でもとか思ったけど、調子にのると厄介(やっかい)ごとを引き起こすのが私。

 静かに海上を突き進む。

 太陽も全力を出してきて、まさに絵日記に残したいような真夏の光景。


―――日焼け止め…欲しいなぁ…。


 ないものねだり。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ