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閑話 変態紳士の最高傑作

変態紳士のコレクションルーム。


壁一面のガラスケース。


三百体以上のフィギュア。


こはるとりりは、その光景をまだ眺めていた。


こはるが言う。


「すごいなぁ」


「こんなにあるんだ」


りりも頷く。


「ちょっとした博物館」


変態紳士は静かに微笑む。


「ありがとうございます」


「美を記録するのが私の趣味ですので」


こはるがケースを覗き込む。


水着。


ドレス。


スポーツウェア。


様々なポーズのフィギュア。


腰のくびれ。


脚のライン。


ヒップの丸み。


胸の形。


すべてが細かく再現されていた。


こはるがふと気付く。


「ん?」


「奥に扉ある」


部屋の一番奥。


小さなドア。


変態紳士が少し考えてから言った。


「……そこは」


「まだ公開していない展示です」


こはるの目が光る。


「見たい」


りり

「見たいね」


変態紳士は静かにため息をついた。


「仕方ありません」


「特別公開としましょう」


扉を開く。


中へ入る。


そして。


こはるが止まった。


「……」


りりも止まる。


「……え」


そこには――


等身大フィギュア。


人と同じサイズ。


一体。


スポットライトに照らされて立っている。


水着姿の女性フィギュア。


だが。


作り込みが異常だった。


髪の質感。


肌の質感。


そして――


体のライン。


腰のくびれ。


ヒップの丸み。


太ももの曲線。


胸の形。


すべてがリアル。


こはるが言う。


「これ」


「やばくない?」


りり

「リアルすぎる」


変態紳士が静かに言う。


「私の最高傑作です」


こはる

「最高傑作」


変態紳士

「はい」


「3Dスキャンと造形技術を最大限使いました」


こはるが近づく。


後ろから見る。


ヒップライン。


丸く整った形。


太ももへ続く滑らかな曲線。


こはる

「お尻すごい」


りりも横から見る。


「胸もすごい」


柔らかなライン。


自然な膨らみ。


こはるが振り向く。


「これ誰?」


変態紳士は少し考えてから言った。


「一般の方です」


「許可を得て制作しました」


こはるが腕を組む。


「なるほど」


少し沈黙。


そして。


こはるが言った。


「……ねえ」


変態紳士

「はい」


こはる

「これ」


「魔法少女版作りません?」


変態紳士

「……」


りり

「等身大?」


こはる

「そう!」


「ピンクフリルとホワイトフリル!」


りりが少し赤くなる。


「ちょっと」


こはる

「だって絶対すごいよ!」


変態紳士は静かに考えていた。


そして言う。


「……確かに」


「魔法少女の等身大フィギュア」


「価値は非常に高い」


こはるが笑う。


「でしょ!」


りりが言う。


「でも」


「ポーズどうするの?」


こはるが少し考える。


そして。


くるりと回る。


腰を軽くひねる。


ヒップラインが強調されるポーズ。


「こういう感じ!」


りり

「こはるそれ」


「完全にお尻強調ポーズ」


こはる

「サービス!」


変態紳士が頷く。


「素晴らしい」


りりが苦笑する。


「この人」


「やっぱり変態」


変態紳士は優雅に言った。


「褒め言葉です」


こはるが笑った。


「じゃあ決まり!」


「等身大魔法少女フィギュア!」


変態紳士は静かに頷く。


「制作計画を立てましょう」


こはるとりりは顔を見合わせた。


そして笑った。


コレクションルームの奥。


スポットライトの下。


最高傑作の隣に――


新しい展示が増える未来が、静かに決まったのだった。

 

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