閑話 変態紳士のコレクションルーム
ある日の午後。
高層マンション最上階。
変態紳士の部屋。
こはるとりりは、リビングのソファに座っていた。
テーブルには紅茶。
高級そうなお菓子。
いつもの丁寧なおもてなし。
こはるが紅茶を飲みながら言う。
「変態紳士さん」
変態紳士
「はい」
こはる
「前から気になってたんだけど」
「フィギュアのコレクションってどれくらいあるんですか?」
変態紳士は静かにカップを置いた。
「ご覧になりますか?」
こはる
「見たい!」
りりも頷く。
「ちょっと興味ある」
変態紳士は立ち上がる。
「ではこちらへ」
案内されたのは――
奥の扉。
変態紳士がドアを開く。
「どうぞ」
中へ入った瞬間。
こはるが固まった。
「……」
りりも止まる。
「……え」
部屋。
というより――
ホールだった。
広い。
とても広い。
壁一面。
ガラスケース。
そしてその中には――
大量のフィギュア。
水着姿。
ドレス姿。
スポーツウェア。
制服。
様々な女性のフィギュアが並んでいる。
こはるが呟く。
「……なにこれ」
りり
「多すぎない?」
変態紳士は誇らしげだった。
「私のコレクションルームです」
「現在およそ三百体ほど」
こはる
「三百!?」
りり
「すごい……」
ガラスケースの中。
精密なフィギュア。
ポーズ。
体のライン。
どれも精巧だった。
腰のくびれ。
脚のライン。
ヒップの丸み。
胸の形。
細部まで再現されている。
こはるがケースを覗き込む。
「すごいなこれ」
りり
「ほんと」
変態紳士は説明する。
「全て3Dスキャンによる制作です」
「実際の人物の体のラインをそのまま再現しています」
こはるが笑う。
「こだわりすごい」
その時。
一番奥のケース。
そこに――
三体のフィギュアがあった。
中央。
白いボディスーツ。
ピンクフリル。
こはる。
腰のフリルスカート。
ガーター。
ヒールブーツ。
体のラインにぴったり沿うボディスーツが、細いウエストからヒップへ続く曲線を綺麗に見せている。
フリルの下。
丸く整ったヒップライン。
引き締まった太もも。
胸元には小さく整った膨らみ。
Aカップ。
隣。
ホワイトフリル。
りり。
白いトップ。
短いスカート。
背中の翼。
Bカップの柔らかな丸み。
スカートの下に見えるヒップライン。
長い脚。
綺麗なシルエット。
そしてその横。
燕尾服。
仮面。
変態紳士。
優雅なポーズ。
三体が並んでいる。
こはるが笑った。
「あるある」
「ここに置いてるんだ」
変態紳士が頷く。
「もちろん」
「お気に入りですから」
りりが言う。
「私たちのフィギュア」
「結構目立つ場所にあるね」
変態紳士
「中央展示です」
こはる
「VIP扱い」
変態紳士は静かに言う。
「魔法少女は美しい存在です」
「造形として非常に価値が高い」
こはるが苦笑する。
「やっぱり変態だ」
りり
「でも紳士」
こはるはケースを眺める。
たくさんのフィギュア。
そして中央。
自分たち。
こはるが言う。
「なんかさ」
「この部屋」
「博物館みたい」
りりも笑った。
「確かに」
変態紳士は胸を張る。
「美の資料館です」
こはる
「言い方」
三人の笑い声が、コレクションルームに静かに響いた。




