閑話 魔法少女フィギュア制作会
ある日の午後。
桃瀬こはるの部屋。
机の上には――
二体のフィギュアが並んでいた。
水着姿のこはるとりり。
以前、変態紳士の家で撮影した時に作ってもらったものだ。
こはるはそれを手に取る。
「これ」
「ほんと出来いいよね」
りりがベッドに座ったまま頷く。
「うん」
「びっくりするくらいそっくり」
髪の流れ。
表情。
体のライン。
全部そのままだった。
こはるはフィギュアを机に戻す。
そして腕を組んだ。
「ねえ」
りり
「なに?」
こはる
「せっかくだからさ」
少し身を乗り出す。
「魔法少女姿のフィギュア欲しくない?」
りりが瞬きをする。
「魔法少女?」
こはるは大きく頷いた。
「そう!」
「私たち魔法少女だし!」
机を指差す。
「水着はまた撮れるけど」
「魔法少女の姿って」
「今しか残せないよ!」
りりは少し考える。
そして笑った。
「……それは確かに」
こはるが拳を握る。
「よし」
「変態紳士さんにお願いしよ!」
数日後。
二人は例の高層マンションに来ていた。
最上階。
扉が開く。
変態紳士が優雅に一礼する。
「ようこそお嬢様方」
「本日はどのような御用件でしょうか」
こはるは元気に言った。
「お願いがあります!」
変態紳士
「ほう」
こはる
「私たちの魔法少女フィギュア作ってください!」
変態紳士は少し驚いたあと、静かに頷いた。
「なるほど」
「魔法少女の造形は非常に美しい」
「実に良い提案です」
こはるが嬉しそうに言う。
「ですよね!」
りりも小さく頷いた。
「二人並んだ感じで」
こはるが言う。
「こういうポーズ!」
肩を寄せる。
腕を回す。
楽しそうに片脚を上げる。
二人並んだポーズ。
変態紳士は観察する。
「友情を表現する構図」
「素晴らしい」
こはるが思い出したように言った。
「あ!」
「あと一つ」
変態紳士
「はい?」
こはる
「変態紳士さんのフィギュアもください」
変態紳士
「……私ですか?」
りりも頷く。
「三体並べたい」
こはるが笑う。
「記念だし!」
変態紳士は微笑んだ。
「面白い」
「では作りましょう」
「燕尾服姿でよろしいですか?」
こはる
「それ!」
「いつものやつ!」
変態紳士
「承知しました」
「ではスキャンを開始します」
スタジオへ移動。
こはるがステッキを取り出す。
「じゃあ」
「変身するね」
りり
「ここで?」
こはる
「サービスサービス」
ステッキを掲げる。
「へんしん」
白い光が広がった。
柔らかな魔力の粒子。
光の中で体がふわりと浮く。
くるり。
体が回転する。
最初に見えるのは――
ヒップライン。
光に縁取られた丸い形。
くるんと持ち上がったお尻。
引き締まった曲線。
回転。
またお尻。
光の中でヒップの丸みがはっきりと浮かび上がる。
陸上で鍛えた筋肉。
引き締まった太もも。
光が腰へ流れる。
白いボディスーツが形成される。
ぴったりと体に沿う生地。
腰のライン。
細いウエスト。
ヒップの丸みを包む白いスーツ。
さらに――
腰の後ろ。
フリル。
小さなスカート。
ヒップラインが強調される。
光が胸元へ集まる。
小さく整った丸み。
Aカップ。
白い布が胸を包む。
柔らかなラインが強調される。
布越しにわかる形。
くびれ。
腹筋のライン。
ガーター。
白いヒールブーツ。
光が消える。
そこに立っていたのは――
魔法少女ピンクフリル。
白いボディスーツ。
腰のフリル。
こはるがくるりと回る。
ヒップが揺れる。
変態紳士が静かに頷く。
「美しい」
こはるが笑う。
「でしょ?」
次はりり。
「へんしん」
白い光。
回転。
ヒップライン。
丸く整った形。
健康的な曲線。
くるり。
またお尻。
光の中でヒップが強調される。
光が胸元へ集まる。
Bカップ。
柔らかな丸み。
白いトップ。
リボン。
腰へ光が流れる。
短いスカート。
ふわり。
後ろからはヒップの形がよく見える。
白いガーター。
白いブーツ。
背中に――
翼。
ホワイトフリル。
りりは少し照れながら立つ。
こはるが笑う。
「りりスタイルいいなあ」
りり
「こはるも」
二人は並ぶ。
肩を組む。
楽しそうなポーズ。
片脚を上げる。
ヒップラインが強調される。
変態紳士が言う。
「そのまま」
スキャン開始。
光が二人を読み取る。
数日後。
こはるの家。
箱が届いた。
こはるが開ける。
「おお!」
中には――
三体のフィギュア。
中央。
白いボディスーツのピンクフリル。
その隣。
ホワイトフリル。
二人は肩を組み。
楽しそうにポーズを取っている。
ヒップラインも体の曲線も、驚くほど精密に再現されていた。
そして横には――
燕尾服姿の変態紳士。
優雅なポーズ。
りりが笑う。
「三人揃った」
こはるが机に並べる。
中央に二人。
横に変態紳士。
こはるが満足そうに言う。
「あの時の記念だね」
りり
「うん」
窓の外。
夕日が差し込む。
机の上には――
三体のフィギュア。
あの日の戦いと出会いを残す、小さな記念だった。




