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43.噴水前の決戦1

また別の日。


小鳥遊りりのスマートフォンに、一通のメッセージが届いた。


差出人は――ドレスティアの連絡網。


画面には短い文章が表示されている。


明日の朝、ピンクフリルを罠に掛ける。

確実に朝のジョギングに行くよう誘導せよ。

場所は公園の噴水。

確実性を上げるためジョギングに同行するもよし。


りりはその文章をしばらく見つめていた。


無表情。


数秒。


それから、ゆっくり指を動かす。


「了解」


短い返信。


送信。


画面が暗くなる。


りりはスマホをポケットにしまった。


「さてと……」


小さく呟く。


(どうしたものかな)


窓の外を見る。


夕方の空。

静かな住宅街。


頭の中には、さっきの文章が残っていた。


罠。

襲撃。

ピンクフリル。


つまり――こはる。


りりはため息をついた。


「……まあ」


「いっか」


数分後。


こはるの家の前。


ピンポーン♪


インターホンを押す。


中から声がした。


「はーい」


ドアが開く。


桃瀬こはる。


普段着姿。

髪はラフにまとめている。


りりを見ると、軽く笑った。


「あれ、りり?」


「どうしたの?」


りりは少しだけ真面目な顔をした。


「ちょっと、話があるんだけど」


こはるはあっさり答える。


「ん、そう?」


「じゃあ、中入って〜」


いつもの調子だった。


部屋に入る。


テーブル。

ソファ。


二人は向かい合って座る。


少し沈黙。


こはるが口を開いた。


「で?」


「どうしたの?」


りりは一瞬だけ迷った。


それから、まっすぐ言った。


「率直に言うと」


「明日の朝」


「ジョギングで襲撃」


こはるが首をかしげる。


「あれ?なんかデジャヴ」


りりが肩をすくめる。


「まあ、私もだけど」


「携帯に連絡あった」


「私がこっち側って気がついて無いっぽい」


こはるが笑う。


「そうなんだ~」


「じゃあ、この間と同じで」


「私が先に行って」


「離れたところから後から来てくれる?」


りり

「オーケー」


「じゃあ、その作戦で」


翌日。


朝。


罠の日。


まだ街は完全には目覚めていない。


空は淡い青。

空気は少し冷たい。


学生マンションの前。


そこに二人の少女が立っていた。


桃瀬こはる。

そして、小鳥遊りり。


「おはよう」


こはるが軽く手を振る。


「おはよ」


りりも短く返す。


二人は軽くストレッチを始めた。


肩を回す。

脚を伸ばす。

軽い屈伸。


こはるが体を反らせながら笑う。


「さあ、行こっか」


りりが頷く。


「うん」


二人は走り出した。


軽いペース。


朝の住宅街を静かに駆ける。


トン

トン

トン


靴がアスファルトを叩く音。


やがて公園が見えてきた。


中央にあるのは――


噴水。


今日の罠の場所。


こはるは少し速度を落とす。


「りり」


「とりあえず少し離れてて」


りりは頷く。


「ん、わかった」


りりはベンチの方へ下がる。


こはるは一人で噴水へ向かった。


静かな公園。


水の流れる音。


そして――


ザッ!!


茂みが揺れた。


ヌギーが飛び出す。


一匹。

二匹。

三匹。


あっという間に――


五十匹。


完全包囲。


こはるが小さく息を吐く。


「やっぱりね」


その時。


噴水の縁に影が降り立った。


コツン。


ヒールの音。


現れたのは――


白森めい。

兎月みう。

そして。


ヴェルヴェット将軍。


黒髪ロング。


長いマントが背中で揺れる。


その下に見えるのは、黒いボンテージ衣装。


身体にぴったりと張り付く素材。


胸元は大胆に開いている。


そこには――


豊かな膨らみ。


Gカップ。


重みのある胸がボンテージに押し上げられ、しっかりとした丸みを作っている。


くびれた腰。

細いウエスト。


そして腰からヒップにかけての丸い曲線。


メリハリのある身体。


長い脚は黒のハイヒール。


歩くたびにヒールの音が響く。


コツン。

コツン。


ヴェルヴェットは腕を組み、こはるを静かに見下ろした。


みうが楽しそうに笑う。


「アハハハ!」


「罠に掛かったわね!ピンクフリル!」


めいも微笑む。


「今日こそ捕獲します」


「逃げ場はありません」


ヴェルヴェット将軍が一歩前へ出る。


「はじめまして」


「私は秘密結社ドレスティアの将軍……ヴェルヴェット」


ゆっくりと視線を下ろす。


「あなたをコレクションに加えてあげるわ」


そして続ける。


「あと」


「どうやればお胸が大きくなるか」


「詳しく教えてね」


こはるは肩をすくめる。


「そう上手くいくかしら」


みうが指を鳴らす。


「今回は逃がさないから」


めいが静かに言う。


「いい声で鳴いてくださいね」


こはるはバッグを開いた。


ステッキを取り出す。


軽く掲げる。


「へんしん」


次の瞬間。


白い光が広がった。


柔らかな魔力の粒子。


服がふわりと浮く。


くるり。


体が回転する。


そして――


お尻が丸見えになる。


光の中に浮かび上がるヒップライン。


丸く整った形。


陸上で鍛えた引き締まった曲線。


くるっ。


もう一度回転。


やっぱりお尻。


光が腰をなぞる。


胸元へ光が集まる。


そこには――


小さな膨らみ。


Aカップ。


それでも以前より確かに存在感のある丸み。


光が衣装へ変わる。


赤いボディスーツ。


細いウエスト。

引き締まった腹部。


太ももへ光が流れる。


赤いガーター。


背中に集まる光。


ピンクフリルのミニスカート。


ヒップラインを包む。


最後にヒールブーツ。


光が消える。


そこに立っていたのは――


魔法少女ピンクフリル。


こはるがくるりと回る。


フリルが揺れる。


「魔法少女ピンクフリル!」


プルンが叫ぶ。


「決まったプルン!」


みうがニヤリと笑う。


「へぇ」


「またちょっと胸育った?」


こはるが睨む。


「うるさい」


その時。


ヴェルヴェットがゆっくり手を上げた。


指先から黒い魔力が走る。


シュンッ!!


一瞬。


こはるの横を黒い衝撃が通り抜けた。


地面が削れる。


こはるが目を見開く。


ヴェルヴェットが微笑む。


「挨拶よ」


そして軽く肩をすくめる。


「続けなさい」


「今は」


「見ているだけだから」


その言葉に。


みうが笑う。


「聞いた?」


めいが静かに言う。


「将軍が見てます」


みう

「じゃあ」


「本気出さないとね」


ヌギーが一斉に動いた。


めいが前へ出る。


みうが跳ぶ。


こはるがステッキを握り直す。


噴水の水しぶきが舞う中――


四人の戦いが

ついに始まった。

 

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