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36.夢のAカップ

おっぱい星人と遭遇した夜。


桃瀬こはるは、自室のベッドの上で天井を見つめていた。


電気はついている。

だが、ぼーっとしていた。


原因は――昼間の出来事だ。


「大きさは全く無いが!」


その言葉。


思い出す。


胸を見て言われた。

はっきりと。

堂々と。

迷いなく。


「大きさは全く無いが!」


こはるは枕に顔を埋めた。


「……」


「うるさい」


ごろりと寝返り。


しかし、また思い出す。


「大きさは全く無いが!」


こはるは起き上がった。


「うるさい!!」


プルンが空中で浮いている。


「気にしてるプルン?」


こはるは腕を組んだ。


「気にしてない」


即答。


だが視線は自分の胸に落ちる。


……ぺたん。


こはるはプルンを見る。


「プルン」


「何プルン?」


「今ポイント何ポイント?」


プルンは指を折って数えた。


「怪獣で500ポイントプルン!」

「おっぱい星人で400ポイントプルン!」

「全部で900ポイントあるプルン!」


こはるの目が輝いた。


「おお~!」


「あるね!」


こはるはベッドから立ち上がる。


部屋の中をうろうろ歩く。


考える。


「今」


「ステッキが4.6倍」


「お胸が3回強化」


プルンがうなずく。


「そうプルン」


こはるは腕を組む。


「どうしよう」


少し真剣な顔になる。


「敵も」


「どんどん強くなってきてる気がする」


確かにそうだった。


幹部。

怪獣。


最近、戦闘の規模が大きくなっている。


こはるはつぶやく。


「戦力強化は必要」


プルンが言う。


「ステッキ強化も大事プルン」


こはるはうなずく。


「でも」


そして胸を見る。


「お胸も」


「大切」


沈黙。


数秒。


こはるは突然言った。


「よし」


プルンが首をかしげる。


「決めたプルン?」


こはるは指を立てた。


「ステッキを2回強化!」


もう一本指を立てる。


「お胸を2回強化!」


「残る100ポイントは次回繰越!」


プルンがうなずく。


「バランス型プルン」


こはるはステッキを差し出した。


「ではプルン!」


「お願い!」


プルンはステッキを受け取る。


光が広がる。


ぴかっ。


魔力が流れ込む。


数秒後。


「強化完了プルン!」


「これで5倍プルン!」


こはるはステッキを受け取る。


「おお」


「なんかパワー感じる」


プルンが言う。


「次はお胸プルン」


こはるは真顔になった。


「いくよ」


深呼吸。


「パス繋げて」


プルンが魔力を流す。


光。


胸元に集まる光。


ふわり。


暖かい感覚。


こはるは胸を見る。


変化は――


……まだ小さい。


「もう一回!」


プルン

「了解プルン!」


再び光。


魔力が胸へ集まる。


ふわり。


こはるは胸を見る。


沈黙。


数秒。


そして。


こはるの目が見開かれた。


「……」


「……」


手を当てる。


そこには。


膨らみがあった。


確かに。


今までなかった丸み。


柔らかい。


弾力。


こはるの口が震える。


「……」


「……」


そして。


次の瞬間。


「ふおおおおおおおおおお!!」


絶叫。


部屋中に響く。


こはるは涙を流していた。


右手を高く掲げる。


そして叫ぶ。


「我が生涯に!!」


「最高の瞬間だあああああああっ!!」


プルンが拍手している。


「おめでとうプルン!」


こはるは胸を触る。


柔らかい。


確かにある。


夢じゃない。


頬をつねる。


「痛い!」


「本物だ!!」


こはるは再び叫んだ。


「ふおおおおおおおおおお!!」


その後。


数分。


部屋の中で歓喜の舞。


ジャンプ。

回転。

ガッツポーズ。


そしてようやく落ち着いた。


こはるは真剣な顔で言った。


「確認する」


プルンが言う。


「どうするプルン?」


こはるはスマホを取り出す。


そしてメッセージ。


「ねぇ、りり」


「今、暇?」


送信。


すぐ返信。


『暇だけど?』


こはる。


『暇だよね?』


『すぐ来て』


『今すぐ』


『大至急』


りり。


『え、何?』


『怖い』


こはる。


『いいから来て!!』


数分後。


チャイム。


ピンポーン。


こはるはダッシュ。


ドアを開ける。


そこに立っていたのは小鳥遊りり。


りりは困惑している。


「えっと」


「何?」


こはるは腕を掴んだ。


「いいから!」


「中入って!」


部屋へ連行。


りりは完全に状況が分からない。


「え、ちょっと」


こはるはメジャーを渡した。


「これ」


りり

「?」


こはる

「私の胸!」


「アンダーとトップ!」


「すぐ測って!!」


りり

「え?」


こはる

「今すぐ!」


りり

「えええ!?」


だが測る。


メジャーを回す。


まずアンダー。


「えっと」


「62.5センチ」


次。


トップ。


りりは少し目を丸くした。


「えっと」


「73.0センチかな」


沈黙。


一瞬。


そして。


こはるが叫んだ。


「ふおおおおおおおおおお!!」


ジャンプ。


ガッツポーズ。


涙。


「やったーー!!」


りり

「え?」


こはるは叫ぶ。


「やったよ!!」


「りり!!」


「Aカップだよ!!」


りり

「え」


こはる

「夢のAカップ!!」


りりはぽかんとしていた。


こはるは涙を拭いた。


そして満面の笑み。


「もう」


拳を握る。


「何も怖くないよ!!!」


プルンが言った。


「パワーワードプルン」


りりはつぶやいた。


「……いや」


「なんか怖いのはあんただよ」


だが。


その夜。


桃瀬こはるは確信していた。


Aカップを手に入れた今。


自分はもう――


無敵だと。

 

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