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20.変態紳士の苦悩

変態紳士は悩んでいた。


真剣に悩んでいた。

とても真剣に。

深刻に。


腕を組み、眉間にしわを寄せて。


「うーむ……」


部屋は静まり返っている。


壁一面に並ぶガラスケース。


その中には――


水着姿の女性マネキン。

ポーズを取った人形。


整然と並ぶコレクション。


ビキニ。

競泳水着。

フリル水着。

セパレート。


それぞれが完璧に整えられ、ライトに照らされている。


まるで美術館。


いや。


むしろ。


奇妙なコレクションルームだった。


その中央で。


変態紳士は腕を組み、唸っている。


「……」


「これは困りました」


本当に困っていた。


本気で悩んでいた。


なぜなら。


彼の頭の中には今、二つの選択肢があった。


一つ。


自身のコレクションの充実を図る。


もう一つ。


魔法少女ピンクフリルのお尻を追いかける。


変態紳士はうなった。


「うーむ」


「悩ましい」


歩きながらガラスケースを見る。


並ぶ水着コレクション。


「このコレクションも」


「まだまだ未完成」


手を後ろで組み、ゆっくり歩く。


「競泳水着のバリエーションも増やしたい」


「スクール水着ももう少し欲しい」


「最近はビキニの造形も進化している」


「背中のラインを見せるカット」


「腰骨を際立たせるデザイン」


「ヒップの丸みを引き立てる布の配置」


変態紳士はガラスケースを撫でるように見つめた。


「水着とは」


「人体の曲線を最も美しく見せる装置」


「特に」


「背中から腰」


「そして」


「ヒップへと流れるライン」


ここで変態紳士は目を閉じる。


そして。


思い出す。


あの光景を。


「……」


「しかし」


静かに言う。


「やはり」


頭に浮かぶ。


ピンクのフリル。

黒いレース。

そして――あの姿。


変身の瞬間。


くるくる回る体。


そして。


一瞬だけ見える――ヒップライン。


変態紳士の呼吸が少し荒くなる。


「……」


「ピンクフリルのお尻」


ゆっくり頷く。


「格別」


本当に格別だった。


変態紳士は思い出す。


あの戦い。

あの瞬間。


光の中で回転する体。


背中。

細い腰。


そして。


そこから続く――丸く整ったヒップの造形。


「完璧」


思わず呟く。


「形」


「バランス」


「そして」


「ライン」


変態紳士は両手を広げる。


「背中から腰」


「腰からヒップ」


「ヒップから太もも」


「その流れ」


「なんという造形美」


ゆっくり歩きながら語る。


「背骨のライン」


「腰のくびれ」


「そこから広がるヒップの丸み」


「そして」


「太ももへと続く曲線」


変態紳士はうっとりした。


「人体の黄金曲線」


「それが」


「完璧に成立している」


拳を握る。


「まさに芸術」


さらに語る。


「特に」


「背中からヒップへの落差」


「これが素晴らしい」


「細い腰」


「そこから」


「ふわりと広がる丸み」


「そして」


「引き締まった太もも」


変態紳士は震える声で言う。


「完璧なヒップライン」


そして思い出す。


戦闘中の動き。


跳ぶ。

回る。

蹴る。


そのたびに。


フリルスカートの下で動くヒップの形。


「動きによって」


「さらに美しくなる」


「これが」


「真のヒップ芸術」


変態紳士は深く頷いた。


「造形としても」


「動体としても」


「完璧」


部屋の中央で立ち止まる。


「……」


「いや」


首を振る。


「違う」


ピンクフリルは。


このコレクションとは違う。


それは。


完成された存在だった。


変態紳士はうっとりした。


「理想」


「理想のヒップ」


「理想の背中」


「理想の脚」


そして。


また悩む。


「しかし」


「問題は」


腕を組む。


「コレクションの拡充」


「これも重要」


壁の水着を見る。


「私は」


「水着美の探求者」


そう。


変態紳士にとって。


水着とは芸術だった。


「水着とは」


「人類が生み出した」


「究極の美の結晶」


真剣に語る。


誰も聞いていないのに。


「水着と人体」


「その組み合わせ」


「これほど美しいものはない」


しかし。


すぐに悩みが戻る。


「だが」


「ピンクフリル」


「……」


「悩ましい」


部屋をぐるぐる歩き始める。


「コレクションを増やすべきか」


「それとも」


「ピンクフリルを捕まえるべきか」


止まる。


そして。


真剣な顔で言う。


「これは」


「人生最大の選択かもしれない」


しばらく沈黙。


五秒。

十秒。

二十秒。


そして。


突然。


変態紳士の目が輝いた。


「……」


「そうか」


「両方だ」


名案だった。


変態紳士は笑う。


「そうです」


「両方やればいい」


簡単なことだった。


「ピンクフリルを捕まえ」


「その姿を」


「水着で飾る」


完璧。


完璧すぎる。


変態紳士は興奮してきた。


「つまり」


「ピンクフリル」


「あなたは」


「私のコレクションの」


「最高傑作になる」


そう言って。


ガラスケースの前に立つ。


空いている場所を見る。


「ここ」


「ここに」


「飾りましょう」


そして。


想像する。


ピンクフリル。

水着姿。

完璧なポーズ。


背中から腰。

腰からヒップ。

ヒップから脚。


その黄金のライン。


変態紳士はうっとりした。


「素晴らしい」


「完璧です」


指を鳴らす。


「決まりました」


目が鋭くなる。


「次こそ」


「捕まえてみせます」


静かに言う。


「魔法少女ピンクフリル」


そして。


楽しそうに笑った。


「我が好敵手」


その目には。


狂気のような輝きがあった。


「あなたのその美しき姿」


「必ず」


「私のコレクションに」


こうして。


変態紳士の

新たな計画が

静かに動き始めた。


そして。


魔法少女ピンクフリルを巡る戦いは――

まだ終わらない。

 

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