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19.シースルー魔法少女

部屋の床には布が広がっていた。


黒い布。

レース。

リボン。

フリル。


そして――

破れた魔法少女衣装。


「はぁ……」


桃瀬こはるは床に座り込み、腕を組んでいた。


「また壊れた……」


プルンがふわふわ浮きながら言う。


「戦闘だから仕方ないプルン」


こはるは床に広がる布を見つめる。


さっきまで着ていた衣装。


スカートは裂け、

フリルは千切れ、

装飾はほとんど壊れている。


「修理じゃ無理ね……」


そして。


机の上を見る。


そこにあるのは――

メイド怪人メイディアの装備。


黒いメイドカチューシャ。

レースの手首飾り。

ガーター。

そして。

透ける黒い布。


「……」


こはるはそれを持ち上げた。


「これ」


プルンが言う。


「怪人装備プルン」


「魔力残ってるプルン」


こはるの目が光る。


「使えるってこと?」


プルンが頷く。


「組み合わせれば強くなるプルン」


こはるはゆっくり立ち上がった。


「……よし」


裁縫箱を取り出す。


針。

糸。

はさみ。


プルンが言う。


「また手縫いプルン?」


こはるが言う。


「お金ないから仕方ないの!」


床に布を並べる。


まず。


メイド怪人メイディアの衣装。


シースルーのメイド服。

透ける黒い布。

レース。

フリル。


柔らかなシルエット。


太ももにはガーター。

足元はヒール。


静かなメイド。


しかし――

怪人。


こはるはそれをじっと見る。


「……」


「これ」


「魔法少女にしたらどうなるの?」


プルンが言う。


「多分すごいプルン」


こはるはニヤリと笑った。


「やるしかないわね」


作業開始。


チクチク。

チクチク。


布を切る。

レースを縫う。


魔法少女衣装のスカートは残す。


ピンクフリル。


それをベースに。


黒い透け布を合わせる。


胸元。

腰。

太もも。


レースを重ねる。


ガーターを調整。


メイドカチューシャを頭に乗せる。


こはるはしばらく縫い続けた。


チクチク。

チクチク。


数十分後。


こはるは立ち上がる。


「……」


「出来た」


鏡の前に立つ。


そこに映るのは――

新しい魔法少女。


ピンクフリルのスカート。


しかし。


上半身は黒いレース。

透けるシースルー。

メイド風デザイン。


太ももにはガーター。

黒レースの袖飾り。

ヒールブーツ。


そしてメイドカチューシャ。


魔法少女。


なのに――

かなり妖艶。


こはるはくるっと回る。


「……」


「うん」


「これは」


「結構いい!」


プルンが拍手する。


「強そうプルン!」


こはるは満足げに腕を組んだ。


「よし!」


「完成!」


そして。


ふと思い出す。


「あ」


プルンを見る。


「ねぇプルン」


プルンが振り向く。


「ポイントいくつ貯まってる?」


プルンが指を折って数える。


「前の残り200ポイント」


「今回」


「ヌギー30匹」


「300ポイント」


「さらに」


「幹部撃破」


「200ポイント」


プルンが言った。


「つまり」


「700ポイントあるプルン!」


こはるが固まる。


「……」


「……」


「……」


そして。


爆発。


「フォおおおおおおおお!!」


プルンがびっくりする。


「テンション高いプルン!」


こはるは拳を握る。


「よっしゃああああ!!」


「大金持ち!!」


しばらく喜んだあと。


こはるは真顔になる。


「まず」


「ステッキ強化」


プルンが頷く。


「いくつ使うプルン?」


こはるは言う。


「めっちゃ苦戦した」


「だから」


「400ポイント!」


プルンがステッキを受け取る。


「妖精界とパス繋ぐプルン」


ステッキが浮かぶ。


光の糸が空間に伸びる。


ピカッ。


光が収束。


プルンが叫ぶ。


「2.8倍プルン!!」


こはるが目を輝かせる。


「すごい!!」


そして。


残りは。


こはるは胸を押さえる。


「……」


「残り300ポイント」


プルンが言う。


「何に使うプルン?」


こはるは即答。


「決まってる」


「おっぱい」


プルンが言う。


「やっぱりプルン」


こはるが拳を握る。


「これしかない!」


プルンがステッキを掲げる。


「妖精界パス繋ぐプルン」


光。


やわらかい光。


こはるの体を包む。


ふわり。


あたたかい。


そして。


ぴかっ。


光が消える。


静かになる。


こはるはゆっくり胸を見る。


「……」


「……」


「……」


数秒沈黙。


そして。


「……」


「……」


「……」


「……お」


こはるの目が見開く。


「……おお」


「……おおお」


そして。


叫ぶ。


「やったあああああ!!」


プルンが言う。


「微増プルン」


こはるは胸を押さえる。


確かに。


少し。

ほんの少し。


でも。


膨らみが分かる。


こはるは跳ねた。


「分かる!」


「分かる!」


「膨らみ分かる!」


鏡の前で回る。


「すごい!」


「すごい!」


「成長してる!」


プルンが言う。


「喜びすぎプルン」


こはるは拳を握る。


「これは」


「革命よ」


そして。


真剣な顔で言う。


「私」


「もっと戦う」


プルンが呆れる。


「理由それプルン?」


こはるは胸を押さえる。


「当たり前よ」


「これはね」


「人生を変える戦いなの」


プルンが言う。


「方向性おかしいプルン」


こはるは空を見上げる。


「でも」


「確実に成長してる」


拳を握る。


「まだまだ」


「ここからよ!」


そして。


新しい衣装。

強化されたステッキ。

そして。

ほんの少し成長した胸。


こうして――


桃瀬こはるの戦いは

まだまだ続く。


おっぱいの戦いもまた――

終わらない。

 

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