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緊急会議1

土日はすみませんでした。予想外なこともあり、なかなか筆が進まず、投稿できませんでした。

「……俺とリリスが最後か」

「失礼いたします」


会議室に入ると俺以外の主だった面子が揃っており、円卓の席に座っていた。会議室にいる人数は俺とリリス以外に五人いる。俺と同じ黒髪黒目で腕に包帯をして首に吊っている美丈夫が、今世の俺の父親にしてアルトロス男爵家現当主マルス・アルトロスだ。


その右隣にはマルスが老いたような容姿をしている俺の祖父、先代のアルトロス男爵ロクス・アルトロス、そのさらに隣にはバルバロイに劣らない程の強面をしている兵士長のジャン。

左隣は一席空けて執事長兼家宰クライス、その隣に柔和な顔をしている外交官のイシス、アルトロス男爵家首脳陣勢揃いって感じだが、クライスは爺様を呼んで来るとは言ってなかったんだけど、何でいるんだ?


「マルス様にご報告した時にたまたまその場に居られまして、どうしても会議に参加なさりたいとのことで……」

「そういうことじゃ。何、家の大事ともなれば呑気に隠居などしておれまい。仕方なくここにいるのじゃよ、愚息もこのような状態じゃしの」


クライスは俺の疑問を悟ったようで爺様がここにいる理由を説明してくれる。なるほど……あと、爺様はそんなに生き生きとしてたら説得力がないですよ。


「何が愚息だ、クソ爺め」

「分からぬか、お主より儂の方が頭が良いと言っておるのじゃ」

「ほう、父上試してみましょうか?」

「無理して丁寧な言葉を使わんでいいぞ、背伸びしているのが丸分かりで見苦しいからの」


青筋を額に浮かべた父上が普段家の中では使わない丁寧な言葉を使うと、爺様はそれを指摘して更に煽る。煽っている爺様も冷静かと訊かれればそうではなく、クソ爺と言われてこちらも額に青筋を浮かべていた。

……二人ともいい年しているのに煽り耐性がなさすぎる。


「……その言葉、後悔するなよ、親父…。クライス!俺の方が頭良いよな!?」

「何を言う!?儂の方が頭が良いじゃろ、クライス!?」


いや、自分の方が相手より頭が良いうんぬん言っている時点でどっちも頭が良いとは言えないと思う。


「いえ、残念ながらお二方の頭の出来は同じぐらいです。……アレン様、こちらにお座り下さい」


凄く低レベルな言い争いをしようとした父上と爺様がクライスにバッサリと切られてしゅんっと落ち込む。政務の大部分を任せていたクライスには父上も爺様も頭が上がらないらしい。

そんな二人を横目に俺はクライスと父上の間の席に座る。リリスは冒険者ギルドの時と同じ様に俺の後ろに立っている。


「……では、揃いましたので緊急会議を始めます。まず、既に伝達してあると思いますが、この会議を開く原因は、マクベス子爵による一方的な婚約破棄、そしてマクベス子爵家との関係悪化です」

「ぬぅ、カインめ、息子の教育をしくじりおってからに……」


円卓に座る面子をぐるっと見渡した後にクライスが椅子から立ち上がって会議の進行をする。マクベス子爵家との婚約破棄については、渋い顔をしている父上と爺様以外は笑顔を浮かべて頷いている。

この光景で俺の元婚約者であるレビアがどれだけ嫌われていたのか、分かる。父上と爺様が渋い顔をしているのは先日病で亡くなった先代のマクベス子爵カイン・マクベスと、俺とレビアを婚約させようと約束したのは他ならないこの二人だからだ。


まあ、カインさんは武人気質でとても素晴らしい人格者だったので俺でも二人の立場なら婚約を決めていてかもしれない。本当にあの人からどうして、あんな息子と孫が出てくるんだ?


「まずはイシス、お願いします」

「はい、外交官としてはまず、周辺の領主への説明が必要だと思います。こちらに非がないことを理解していただければ、少なくともマクベス子爵側につくことはないでしょう。マクベス子爵も行っているとは思いますが、現当主は評判の良くない方ですから出遅れによる不利はあまり心配しなくても良いと思います」

「味方につけることは出来るか?」

「そうですね……先の敗戦もありますし、何より少し考えれば黒幕の存在には行きつきます。友好的な中立が限度ではないかと……」


父上の質問にイシスが答える。やはり黒幕の存在と敗戦による損害がネックになるらしい。

外からの援軍は期待できないか。そうなると、戦争になった時、単独で迎撃しないといけないことを想定して、戦場を選んで今から準備して間に合うか……?


「陛下に対して説明する必要はないのか?」

「我がアルトロス男爵家の領地は辺境にありますから、王都まで距離がありますし、何より黒幕は王都にいる可能性が高いです。王都は敵地だと言っても良いでしょう。今の段階で使者を出すのはリスクが高いかと。まあ、友好的である貴族には根回しをして宮廷工作も必要でしょうが、陛下への使者は必要ないでしょう」

「なるほど」


使者を出しても黒幕に握りつぶされるか、最悪捕らえられて虚偽の内容を報告される可能性があるな。そうなれば、戦争で勝っても厳しい状況になるか。勝ってからなら、父上のこの間の功績もあるし、黒幕がマクベス子爵を切り捨てる可能性もある。何をするにも勝ってからだな。


「アレン、分かったのか?」

「儂にはさっぱりじゃわい。うむ、流石我が孫よ」

「ああ、流石我が息子だ」


またくだらない言い争いが起きそうな気配がする。この人達、何でここにいるんだろう……家の危機だってことを理解してるのか?

いや、この二人脳筋だから理解してないかもしれない。戦略とか戦術の話になると頼もしいんだけどな。


「コホン、マルス様、ロクス様、よろしいですかな?」

「う、うむ」

「お、おう」

「……それでは続けます」


クライスに睨まれて二人して目を泳がせてる……目の動きとかが似てるな仲は少し悪いが、顔とか見ると親子だって丸分かりだし、喧嘩するほど何とやらか。

その喧嘩の間に挟まれたり、巻き込まれたりするのは堪ったものじゃないが。

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