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科学ダイアリー  作者: 四葉の科学者
第1章 存続危機編
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第1話 問題児達

「おいばかっ 何やってんだ!?」


教室の戸がすばやく開き、1人の人物が勢いよく入ってくる

見慣れた顔、そう高校3年生の元部長 壇上だんじょう啓介けいすけ先輩だ。


「またなんかやらかす気か?」


壇上先輩はそう言いながら田中部長を睨んだ。


田中部長は壇上先輩の鋭い目つきに臆さず胸を張って言った。

「大丈夫ですって今回は!」

しかし、ポンプはそんな言葉と裏腹に『ボンッ』という音をたて、煙を出し始めた。

そして教室内に焦げた匂いが充満し出した。


「大丈夫なわけないだろ!見てみろ、あの煙!また爆発を起こしたら怒られるぞ」


壇上先輩は実験台に近づき、ポンプを凝視した。彼の言葉には、単なる小言ではない、元部長としての焦りが見える。


「実績がない。部員はほとんど幽霊。元部室の小屋は別の部活の物置。顧問は……」


山田副部長は顔を上げ、諦めた目で顧問の方を見た


顧問は教室の端で授業準備をしていた。

顧問の吉田よしださとる先生はいつも部活に対するやる気がない

2年前までは楽しそうでキラキラしていたらしいが、とある時からずっとこの状態らしい。


「吉田先生、今は部活中ですよ」


壇上先輩が呆れたようにため息をついた。

顧問の吉田先生は「ちゃんと危ないことしてないか見てるから大丈夫だ」といい、授業準備を淡々と進めている。


「というか、新しい顧問の村上先生は? まだ一回も部活に来ているところを見ていないんだが?」


「それが、村上先生は最近、部員名簿を見て愕然としたらしくて……」


山田副部長が資料から目を離し、時計を見ながら言った。                             

「『この部活は、データ上、存在意義が薄い。改善が見られなければ、予算削減は避けられないでしょう』って、毎日言ってます。」


俺はこの状況をどうすればいいのかわからなかった。

2年前までの華やかさはどこへいったのやら。


その時、実験室のドアが再び、今度は勢いよく開いた。


「おっ、いたいた!」


そこに立っていたのは、高校1年生の藤井ふじい陽太ようたと、中学1年生の弟、藤井ふじいみなとだった。

彼らは科学部の部員ではない。なぜかいつも、科学部の活動時間になると部活を荒らしにくるのだ。


「何やってんだよ、面白いことやってんなら俺らにもやらせろよ!」          


陽太がにやにやしながら言った。

湊は、実験台の上にあるポンプを指差し、「これ、何? 面白そう!」と目を輝かせている。


「お前ら、部員でもないのに勝手に入ってくんな!」                 


山田部長が顔をしかめて怒鳴ったが、藤井兄弟は全く気にする様子がない。


「いいじゃん、別に。どうせ廃部になるんだろ? 最後にちょっとくらい遊ばせろよ!」 

黒崎蓮が、漫画から目を離さずにニヤリと笑った。

彼の言葉に、俺ははぐっと唇を噛んだ。


廃部。


その二文字がさっきまで散々騒いでいた田中部長と壇上先輩の動きを止める。


「考えたくなかったのに…」


俺はポツリと呟いてしまった。

その言葉を受け、今までずっとゲームをしていた大橋とずっと本を読んでいた山崎が立ち上がった。


『それでも科学部ですか?』


2人は同時に言った。

俺には言っている意味がわからなかった。


「ポンプなんて作ってる場合じゃないです! もっと、もっと、学校が驚くような、科学部らしいこと、やりましょうよ!」                   


大橋は携帯を机に叩きつけ、熱演した。


その言葉に実験室の空気が一瞬だけ止まった。

田中部長は目を丸くし、壇上先輩は驚いたように大橋を見た。


キャラクター

佐藤さとう 悠真ゆうま:高校1年生、普通の部員

田中たなか 浩介こうすけ:高校2年生、現部長

山田やまだ 健太けんた:高校2年生、副部長

山崎やまさき りゅう:中学3年生、中学部長

大橋おおはし まさる:中学3年生、中学副部長

白石しらいし けい:中学3年生、天才肌の暴走科学部員

黒崎くろさき れん:中学3年生、問題児

吉田よしだ さとる:物理担当、顧問(主顧問)

村上むらかみ さとし:数学担当、顧問(副顧問)

藤井ふじい 陽太ようた:高校1年生、非部員

藤井ふじい みなと:中学1年生、非部員

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