30話 道化師の帰還
いやぁ…めちゃくちゃ久しぶりですね…
サボるつもりは無かったんですけどねぇ……
期間が空いたので前回のあらすじ
教会の服着て偽装してる襲撃者に襲われたよ!でも仮面アタックでなんとか倒したよ!でも協力者が近くにいて大ピンチ!と思ったら変な煙を浴びて小説がバグったよ!その後てんとう虫も襲ってきたけどイケメン君が助けてくれたよ!
改めて見るとカオスな展開してるなぁ…
魔力さえ尽きなければ普通の身体能力は常に発揮できるこの体
満身創痍とはいえ、ヘンゴを透君に背負って貰えば行軍速度は劇的に上がる
おかげで魔物に襲われることもなく黒森を抜けることができた
透君は仲間と共に行動していた筈だが大丈夫なのか、と聞いてみたが、雷を空に打ち上げるという意味不明な芸当をして、これでよし、と笑顔で言ってくれた
俺への警戒は間違いなくあるだろうが、それでも善意もまた間違いなくあるのが感じ取れる
ハーレムを築いても何も恨まれないのはやはり性格なんだろうな
ただ、やはりと言うべきか、会話は弾まなかった
*
王都へと到着した
やはり王都は大混乱に陥っていたようで、未だあちこちで騒ぎが起きている
しかし、コキュイネーの討伐は誰の目にも明らかなので命の危機を感じるものも少なそうだ
「青白い雷」に関しては実害は無く、しばらく経った今では警戒も多少薄い
コキュイネーを倒したのは謎の黒い影であり、五行騎士団の隊長か何かだと思われているそうだ
兵士は人々の鎮静を行っていた
国からお達しもあったのだろう
余り顔を覚えられていない俺らでも通行許可証だけで通ることができたのはそのためだろう
非常時は、基本的には誰も入れないのが普通だ
王都に帰った安心感からか、疲れをより一層自覚する
正直、ギルドに行って報告だけしたらすぐにでもヘンゴの家に帰って寝たい
しかし、それにしては重要なことを知りすぎた
一度王城に向かうことになるのだろう
透君もそのつもりのようだし
ヘンゴがまだ起きないのも気になるから誰かに見て欲しい
それになにより、今回の働きはあの褒美をもらっても良いくらいじゃないだろうか
まだしばらく先になる可能性も十分にあるが、それでも返されるかもしれないという期待で楽しみでしかたがない
早く、会いたい
*
王城へと到着した
こちらでは顔を覚えられているため、顔パスである
正確に言うなら実力パスだ
透君の指の間で雷が弾けている
雷の形は常に変わるはずなのに、指の間にはずっと龍の姿が見えるのだから驚きだ
こんなことができるのは透君だけと言ってもちょっとの過言でしかない
よって実力パス
透君とは既に一切の会話も無くなり、無言で王城の廊下を進む
ただの廊下一つをとってもあまりに豪華絢爛であり、その中を進むのは居心地が悪い
同じ様に豪華すぎる装備を纏う兵士に頭を下げられるのは、愉快としか感じなかったが
たんぽぽを指に生やしてヘルムにそっと固定する
後で盛大に笑われるがいい
玉座の間へとついた
既に連絡は通っていたようで、部屋に入るなり旗が振られ号令がかかる。この国特有(もしくはこの世界特有?)の儀式だ
前を見ると王は玉座へ腰掛け透君の仲間たちは臣下の礼をとっていた
すぐさま俺達も横に並び礼をとる
胸に片手を置き膝立ちをした
「面を上げよ」
言葉を聞いた後俺達はすぐに顔をあげる
「雷の勇者達よ、此度の遠征ご苦労であった」
「「「はっ」」」
「長い言葉は好まぬらしいな。手短にすまそう。
今回の遠征の成否は聞かぬともわかる。宴が開かれる、参加したいものはする、休みたいものは休む。自由にしたまえ。
得た情報などは明日、アレヌと共に整理しろ」
「わかりました」
「緊急の用事は無いな?」
「はい」
「では行け」
「「「失礼致します」」」
なんか気がついたら透君達の謁見は終わってた
え?早くね?
さては厄介払いしやがったな
俺の事情は隠してるようだし、一応バレないようにしたいのだろう
「さて、ではレン。まずはそれを聞こうじゃないか」
そう言って王は俺の胴体を指差す
「おや、お気づきで。流石王にございます」
俺は胴体から布をひと切れ、爪を一組取り出した
「何故、それを持ってきたか。理由はあるのだろう?話せ」
ひとまず、俺は取り出したものを布に載せながら話すことにした
こんな高給な絨毯汚すわけにはいかないし、それに…
「様々な興味深い出来事がございました。ですが、王様もどうやら長話はお嫌いなよう。端的に述べさせていただきます。
まず、私はゴブリンの巣へと討伐に赴き、ゴブリンの族長を討伐致しました。
その後、襲撃者に襲われ命からがら逃げ帰って来たのでございます。
して、報告したい事柄についてですが、2つあります」
「申せ」
「ゴブリンが非常に大きな群れを作っている可能性がございます。相当な戦力だと予期されます」
「証拠は?」
「誰か王の信頼できるものを巣へ案内しましょう。そこにございます」
「そうか。2つ目は?」
「私が襲われた襲撃者、非常に興味深い装備をしておりました。どうかこの場でご確認いただけませんでしょうか」
「わかった、持ってくるがよい」
危険人物に直接持ってこさせるとは…
仮面があるからって余裕だなこの野郎
「聞こえていることは知っておろうな?…まあよい、お前には何を言ってもかわらんだろう…
ふむ、これが襲撃者の装備か。確かに珍しい武装だが」
「よくご確認ください。それらは全て襲撃者の装備ですよ」
「ふむふむ………!?
なるほど。ところでこの布、なかなか面白いものを用意してくれているではないか」
「はい、どうやら良いものなようで」
「『ようで』…なるほどな。お前、道化師を名乗るだけあって愉快なことをしてくれる。」
王はメイドを呼び、布で包まれた爪を自室に持っていくように伝えた。
「よし、お前も十分な働きをしてくれたな。褒美をやろうじゃあないか」
!!!?
来たか、ついにあれが?
「お前の最も欲しがるものだとアレヌから聞いている。この場で受け取るか、明日が良…「今お願いします!!」…わ、わかった」
よし!!!やった!!!ついに、生きる意味が帰ってくる!
「ほれ、手をだせ。こんな棒切れが欲しかったのか?」
…は?
………棒切れ?
呆然とする俺の手の上に、まさしく棒切れとしか呼べないような、腕一本分の長さの焦げ茶色の物体が乗る
嘘……だよな
視覚は嘘だと伝える。こんなものであるはずがないと。
でも、嗅覚は伝える。この匂いは確かにあの人のものだと
何をしたのか、多少は想像がつく
でも想像できない
許せ、ない
「貴様ァァァアアアア!!!」
棒を手にとって反対の手で王に殴りかかる
急に暴れだした俺に対応できなかったんだろう。兵士は俺の初動を止めることはできなかった
しかし俺の手は王のすぐそばで止まる
そして、すぐに俺は捕らえられた
「急に暴れだすかもとは言っていたが、確率は低いのではなかったのか?娘よ……」
「無視ィするなああああ!!」
仮面を頭髪を操り剥がす
ベリベリと音を立て、顔の皮膚が半分千切れたところで
「ぐぅっ…」
麻酔か何かを入れられた
「許さない…!許せ…な……」
そして意識は切れた
*
「…汚い」
頭からべっとりと血のようなものを浴びてしまった王は、気落ちしたままレンを監禁室に送るよう伝えた
とりあえず、二章はあと一話か二話なのですぐに完結させると思います。
その後はちょっとしたお話と大きめのお知らせを投稿しまして、しばらく更新がなくなるかなと思います
更新が異常に遅いのは文にするのが難しいだけで、最終話までの妄想は膨らみ凝縮されて固まっているのため、生涯かけてもこの作品は完結させます
もし、こんな作品でも良いのであれば今後も見ていただければ嬉しいです
それではまた




