エピローグ
皆さま、お久しぶりです。
前回の更新からどれだけの時間が経ったでしょう。
本当にすみませんでした。
王は一人、執務室で書類に目を通していた
アレヌから届けられた書類には、透達の遠征による成果が記されている
かの情報の一欠片を得るのに多大な資金と兵を必要としたころに比べると、なんと楽なことか
たった一組、勇者のチームを送り出すだけでこれだけの成果を上げてくれたのだから
当然使い道を誤れば非常に危険であるが、赤鉈森といい今回の件といい、彼らを起用することはコスパが優れるなどというレベルではないメリットがある
非常に満足そうな顔をしながら王は目を通し終わったその書類を一旦別の保管場所に移動させた
そして、次の紙に手を伸ばそうとし、苦い顔をしてその一枚下の紙を引き抜いた
上の紙は一切ぶれることなく、すとりと下の書類のもとに完璧な形で落ちた
勤勉で知られている彼の、誰にも知られぬ特技である
執務の最後まで手をつけるつもりがないその書類には、「レン・ムラカミの処罰について」との文字がある
娘にせかされるその日まで、手をつけることは決してしないつもりであった
しかし、現実はそうならなかった
老いたとはいえ、政務に勤しむ面々と比べればまだ若い執事が、王にだけわかるほどの、些細な動揺を感じさせる姿で部屋へと入ってきた
「陛下、面白いことが起きましたぞ」
「面白いこと?」
「ええ、あのレンが、素直に処罰を受け入れたたのです」
*
褒美だと言われてあれを渡されたのならブチ切れるのは当然だ
当然だけど、王に襲いかかろうとするところまでやってしまったのはどう考えても悪手だった
アレヌなんかにとっては予想の範囲内だったろうが、とはいえ俺を危険人物とする見方をより強固にする出来事だったのは間違いない
つまり今後は、依頼をこなすかわりに褒美を貰うという今回のような流れを行えるのか非常に怪しくなってしまう
というわけで今、俺は猛烈に反省している態度をとっている
連行にも反発しないし、断水断食にも文句は言わない
謎の男との戦いにおける重要参考人としてヘンゴを保護すべきとの進言を除けば、口から出したものは謝罪の言葉とゲロだけだ
なんの意味もないのにアレヌ様が殴ってくるんだもん。思わずゲロぶっかけちゃうのも仕方ないよね。嫌がらせに見えてもただの不可抗力ですからね
あ、ヘンゴは多分無事だ。様子は一切わからないが、事情聴取は実際に行われたようなので恐らく意識がある。
話を戻すと、そんなわけでお偉いさんがたでの会議では、俺を一生隔離すべきとの意見とまだ使えるとの意見で真っ二つに割れている
今回の件で俺の危うさを制御できるか否かについてはある意味立証された。他人に絶対に危害は加えられないとね。
よって安全性は保たれているのだが、まあそれはそれとして危険人物には変わりなくて…
抜け道がないとも限らないし、(てか実際あったし、)隔離派の意見もわからなくはない
とにかく、俺としてはなんとしても俺を利用したがっている人々に取り入っていくしかない
しかしまあ、両腕両足を切断してだるまのように拘束されている現状、本当にできることが何もない
髪の毛のように生やしている蔦を操って、例のごとく誰にも気づかれなかったエビちゃんと戯れることで時間をつぶす
そうして時が過ぎること...数日?意外と拘束されてから数時間だったりして。まあそれはどうでもいいや。
迎えが来た。どうやら王が連れてくるよう指示したらしい。鼻歩類のように頭髪を使って跳ねていこうとしたら、慌てて拘束は解かれ、四肢を生やすことを許可された。
面白みに欠けるな、と思いながらも二足歩行で王の私室のへと向かう。前回のような公式の謁見ではないようだ。護衛の兵士に連れられ中に入れば、豪華絢爛な王城にはあまり似合わない、ひどく落ち着いた部屋で木製の椅子に王が腰かけていた
こちらから口を開く
「何の用でございますか?」
いつもの鼻で笑うような態度は一切出さず、心の底から敬うように問う。俺に直接襲われたというのに王は、俺を利用できる、とする立場を取っている。あまりに肝が座っていて、最初知った時にはかなり驚いたものだが、俺を外に出してくれるというのなら利用されない手はない。彼は腐っても最高権力者であって、彼の一声で俺の処遇も決まるのだ。
「お前に丁寧に話されると気色が悪い。頼むから楽にしてくれ」
「あ、そう?じゃあフランクにさせてもらおう」
楽にしろって言われたんだし仕方ない。断るほうが失礼だよね
どうせ心の中は読まれてるんだし
「...楽にしろ、と言われてここまで楽にできる奴は、レン、本当にお前ひとりだけだよ」
「だろうね」
「...自慢げにするな
とりあえず、お前の処遇は決定した。これからは冒険者としての立場を利用してこちらから出す依頼をこなしてもらうこととする」
「つまり元の予定と変わりないのか」
「そういうことだ。もちろん、お前への対策は増やした。あまり変な気は起こすなよ」
「きちんと報酬があるなら大丈夫さ。ところで、俺が解放されたってことはもう依頼があるのか?」
「いや、解放したのは謁見の時にお前が伝えてきた情報の精査なんかをするためだ。
だが依頼はもう決まっている。ある犯罪組織について頼みたいことがあってだな...おっと、そうだ言い忘れてた。その件に関してお前に聞きたいことがあるんだが」
洞窟で襲ってきたやつらのことだろうか。犯罪組織、という表現があいつらに相応しいかわからないけれど。でもそれ以外に俺に犯罪者と呼ばれるような奴らとの関係は一切ないはずだ。
「なんだ?」
「お前が参考人として連れてきたヘンゴという男。あいつとはどうやって接触したんだ?そもそも知っていたのか?」
???
ヘンゴの名前がなぜここで出る?
全く意味が分からない
「話が読めないぞ。どういうことだ」
「まさか、とも、やはり、とも感じるが、どうやら本当に偶然だったみたいだな。
あいつは、その犯罪組織の幹部の一人、ゲルコスの養子だ」
ヘンゴ君の衝撃の素性が明らかになったところで、二章は終わりです。中途半端には感じますがここで区切りです。
とりあえず二章だけは完結しなければと思い更新させていただきました。
さて、かなりかなり今更感はありますが、前回の更新で言っていた大きなお知らせとしばらくのお休みの理由を書かせていただきます。
まず、お休みの理由ですが、私の受験によるものです。まあ単に面倒くさくなったというのもあるんですけどね。スマホで執筆していたので効率が悪かったですし。
ともかく、こちらの一方的な都合でお休みしていたこと、改めて謝罪いたします。
続いて大きなお知らせについてです。
当時の私が計画していたことですが、この小説の設定を全部公開しようとしていました。というのも、受験期に入れば小説を書いてる暇が全くありませんからね。こまかなストーリーを伝えるのはあきらめて、この作品を見てくれた方に私の思い描いた世界観を全部伝えることでその中で自由にレン君の今後を妄想してくれたらな、と思ったのが理由です。
例えば、王国やその他の国の実力者たち、先代勇者やクラスメイト達の能力、魔物、世界を成り立たせている神のような存在たち、スキルの学問や研究、聖議国の目的、etc...なんかを箇条書きにして放出しちゃおうかなと考えておりました。
しかし今は設定放出はどうするのか迷い中です。
というのも、この作品をリメイクしてまた一から投稿しなおそうかと考えているのです。見直すとこの作品、非常に文章の出来が悪いですからね。今更この作品の設定を出しても見てくれる人がいないだろ.うというのも理由の一つです。
しかしながら、リメイクについてはかなり設定が変わる可能性がありますし、またいつこの作品のように疾走することになるかもわかりません。
なので、もし一人でも設定が見てみたい!という方がいましたらこの作品の設定を全て公開する、逆にいなければ次のリメイクに向けて構想を一人練っていくという形をとりたいと思います。
気軽に感想のほうで意見を書いていただけると幸いです。
以上で連絡は終わりになります。長文になってしまい申し訳ありません。
非常につたない作品でしたが、それでも読んでくださった方には本当に感謝しかありません。
更新が続いていた時期に読んでくださっていた方も含め、この作品に触れてくださったすべての皆さん、本当にありがとうございました。
リメイクした次の作品でまた会えることを楽しみにしております。それでは。




