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22話 絶望

とりあえず、何かアクションを起こすしかない


本当に他意は無くお辞儀をしたかもしれない

もしくは実力差を理解できない馬鹿な弱者かもしれない


望みは薄すぎるがそうでも無いと生き残れないから、信じてみよう


洞窟の脇道で佇む男に声をかける



「やあ、はじめまして。道化師をやっているものだ。余計なお世話かもしれないが、今そこのゴブリンの巣の殲滅をしてきたのだがもしかしたら敵が残っているかもしれない。危険があるかもしれないから離れてくれないか?」



とりあえずはこちらに敵意は無いと伝える

これであちらに交渉の余地があるなら言ってくるはずだ


しかし、奴はただ口元を歪めるだけ

何もせずに、猫背のまま立っている


しかたなく俺は最新の注意を払いながら奴のもとに歩いていく


「それとも、君は何か目的があるのかい?それは少し困る…カハッ!!」





ハッとして目の前の状況を確認する

俺は壁にうちつけられ、ヘンゴと男の立ち位置に変化は無い


だが、勇者の戦闘を見慣れた俺には見えていなくとも理解はできた


奴は俺を片手で吹き飛ばしたのだ


手をあげて、横にふるう

それだけで飛ばされた


幸いと言ってよいか、肋骨が折れる程度で背骨は無事だ

さっと直してすくりと立ち上がる


男はこちらを一瞥するも嘲るような笑みも変えず堂々と立っている


全盛の俺であっても勝てるかとても怪しい


スキルはCランク以上で確定

最悪Aランクも視野に入れるべきか

いや入れたところで変わらないか

一般人に過ぎない俺達からすればどっちも化け物だ



せめて勇者に連絡が取れればどうにかなるのに

あぁ、なるほど。そのための薬か。ゴブリンの王如きに使うものでは無かったか

いや、王は使うべき相手だった。後悔は無い、無いけれど…


やめよう。ウジウジと悩むのは。俺の悪い癖だ



逃げられる筈も無い

勝てる筈も無い

だったらせめて、奴を少しビックリさせてやろう


そういうのが道化師ってもんだろ?




ヘンゴに指でサインを送る

突撃の合図だ

ヘンゴ、驚いてるな

当然か。あんなのからは逃げ出したいに決まってる


だけれど、とりあえずこれは必要な過程の筈だ


俺が杖を逆手に持って走り出す

ヘンゴもそれに習って駆け出したようだ


奴はまた俺達を吹き飛ばそうとしているようだと予備動作を観察し予測する

ビンゴだ


俺は速度を調整してヘンゴと同時に到着する


そして俺とヘンゴは攻撃をまともに受けて洞窟の奥へとふっとばされていくのだった






*






やはり、つまらない任務だったか

勇者だからと期待していたが、聞いていた通りにかなりの弱体化が成されている

オマケに大して頭は良くないし、何かと見落としが多すぎる

しかも消耗しているのか魔術師のくせに魔術は使わない

とても楽しめる戦闘にはなりそうも無い


期待の笑いはとっくに無くなり、ただ癖で口の端が引きつるだけとなる



全ての人はいくつかスキルを持つものだが、それら全てが遜色なく使えるかは別である

しかし、己は特別である

メインの爪術は当然部隊で十分通用するレベルだ。純魔術もなかなかの使い手だと評判だ。貴族の嗜みとして身につけた精神魔術だって王族と会話できる程の実力である


世界最強に近い存在だと自負している


なのに、任務は落ちこぼれた勇者の殺害

当然、不満は大きかった


しかし、仕事は仕事と切り替えて愛用の金属爪を装備する


議会からは確実に殺しておけと念を押されているから、念の為



振り返り、奴らを自らが飛ばした方向に向かって行くと木の壁ができていた

なんとも薄っぺらい、脆い壁だ

駆け出しの魔術師ですらもっとまともなものが作れるだろう


軽く指で押すと崩れ落ちた


しかし、その先にも壁があった



「………?」


意味が分からない

私の攻撃力は身を持って体感したはず

ならばこの程度の壁、一度に全て壊すことができると何故気づかない?



魔力感知の技術を発動させてみるも奴らはここから少し先にいるだけで逃げる気も無いらしい


撹乱のためだろうか…?


そういえば、さっき読み取れた限りでは私を驚かそうとしているらしいではないか

なら、その仕込みだと考えるべきか


壁をパラパラと壊しながら少し進む




…魔力感知で考えるならば、もう少しでやつらの元へ到着するだろう



『ビックリさせる』…か。何も知らずに楽しむのも悪くは無いが…

いや、念の為だ

必死に色々と考えているところで悪いが、思考を読み取らせて貰うとしよう

精神魔術を使い、壁の向こうにいる奴らの思考を読み取る



『…ヘンゴが突っ込み…、後は俺がどうにかするしかないか…。最初でどれだけできるかが…だな』



丁度良く勇者の思考が読み取れた

読心などという壊れたスキルほどでは無いが精神魔術でも素人相手ならノイズは混じるが十分心を読むことができる


奴らは俺のことを聖職者だとでも思っているだろう。

だから精神魔術の対策はしないはず


なら、これが『ビックリさせる』の全貌だろう



はっきり言って残念すぎる


とても勇者とは思えない思考回路だ


すると一つの魔力が移動を開始した

ついに始まるか

面倒くさい


一応爪を構えて迎撃する形を整えた

視点移動してからがなかなか気に食わないので今後書き直す可能性があります

先を急いで書くならしないかもですが

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