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15話 仮面

今回も一瞬の出来事で一話使ってしまった

超濃縮魔力抽出液はとてつもなく高価だ

だから正直使いたくなかった。使ったら間違いなくこれをネタに王家にいいように使われるだろう

まあ使ったしまったものはノージンジャー

いやむしろドーンさんにこき使われるのならそれは本望…


「…も、もごっ………ぷはっ!窒息するかと思った…

おい、レン。色々聞きてえがとりあえずお前、魔術使えたのか?」

ヘンゴが俺のツタの中から出て来た

チッ

「黙れクソヘンゴ」

「なんでだ理不尽すぎる」

俺の現実逃避を返せ


ダメだこいつ人の内心を推し量ることができてねえ

いや、俺がごまかすのがうますぎるのか?そうだきっとそうだポジティブに捉えようじゃないと死んじゃう


「ヘンゴ…俺は余裕そうに見えるだろうが…今顔の呪いがやばいほど痛い」

「語彙力だけはあるお前がやばいなんて使うとは…本気で痛いんだな。でもとりあえず状況だけは説明してくれ。俺は何がなんだか全く分かってねえ」


仕方ない。入り組んだ洞窟の中の物置きらしき部屋に入り一旦体制を整えるついでに説明することにした


「ああ、説明すると言っても俺も正直詳しくは分かってない。

ただ、お前とずらかろうとした時に人影が見えてな。そしたら上から音がするもんだから「あぁ、こいつは壊れるな」と思って咄嗟に切り札を切ってお前と洞窟の中に避難してきたわけ」

「なんで中に?」

「そりゃあ、人影が崩落の原因なら外に罠張ってるかもだろ?

ならあえて中に逃げてやろうと思ってな」

「それは罠にかかりに行くよりよっぽど危険な気が…まあいい

じゃ、その切り札ってのは?」

「魔力濃縮液。つまり現役時代の俺の力を取り戻せるわけさ」

「現役ってお前、今もバリバリ現役だろうが。しかしそうか。昔そんなに実力があったなら多少おおざっぱなのも頷けるか」

「ああ、でもちゃんと制限時間付だ」

「じゃ、さっさと行動開始しなきゃか。

あ、でもお前攻撃できないとか言ってなかったか!?」


あ、そういやそうだった

顔の呪いが痛すぎて完全に忘れてた


本当にこの痛みは尋常じゃない

この顔の呪い、魔力量にも比例して呪いの強さが変動することで俺の魔力が一定以上貯まるのを防いでる、てことは知識で知っていたが想像以上だった

酸で溶かされ、釘で打たれ、火で炙られて、肉を削られ、想像しうる痛みを全部押し込んだ上で何倍にもしたような痛みだ

というか実際それくらいの被害が顔に出てる。仮面の下なんてR18なんてレベルじゃない光景が広がっている気がするし

今は意識の9割くらいは呪いへの対処に割かれていて戦闘への集中なんてとてもじゃないができたもんじゃない

アレヌがくれたあの日々と今の痛みとどっちか選ぶならどっち?と聞かれたら迷うくらいにはきつい

まあ、死にはしないのとあくまでただ痛いだけだから幾分ましではあるのだけどね


あ、また話が逸れてた

きついときほど考えが脱線しやすいのどうにかならねえかな


で、攻撃が一切できないのは何故か、か

まず考えられるのはこの洞窟にそういう効果がある、というのが一番現実的かな

しかしヘンゴにはかかっていないのが不思議だ

この洞窟の住民相手には人族以外は攻撃できない…とか?


次に考えられるのは、ゴブリンが俺にそういう術を使った、ってとこか

しかしゴブリンにそんな術が使えるとは思えない

なにせ攻撃禁止など神話とかで使われるような技だ

まあ多少おつむのできが他と違うようなのでありえなくはないが、まあ多少不自然な部分があっても洞窟自体に効果があるのが一番現実的かな


「うーーん、わかんねえな。多分洞窟になんかあると思うんだけど」

「そうか、ゴブリンにそんな技使えるとは思えないもんな。攻撃の封印とか命の果実の絵本で出てくるくらいのとんでもない技だし

案外、お前が唐突に正義に目覚めて相手に危害加えるのを無意識で止めてしまうみたいなオチだったりしてな

僕、博愛主義者なので攻撃できませーん!みたいな」

「はは、そうだ…な……」


封印。命の果実の絵本。正義。


一瞬、頭でピースがハマった気がしたが気のせいだろう、いやそう思いたい


いやだって俺外で見張り倒してるし?まじありえないって


あれいや、待てよ。確かエビを拾う時にゴブリンの目をぶっ刺したよな?あれはもしかして(相手を害しようとする意思)がなかったから、だよな。いやもしかしなくてもそのはず。

それに(罠や武器は作るだけならできる)はず。なら、武器を作ってる途中で、あいつを害しようとする前に種が飛んで行ったなら…ぎりぎりセーフだったり、するか?


それ以外に俺はまともな戦闘を赤鉈森以来したか?


まさか、まさかだよな


「ちょっと、試させてくれ」

「え?何をぅおお!!っと。急に殴ろうとするなビックリするなぁ」


体が、ぴたりと止まった


対象は、やはりゴブリンに縛られない


いや、まだわからない

トレントなんかだけに効果を発揮する洞窟かもしれない


もっと、直接的に試そう


顔の仮面を無理やり引き剥がし、床にほうり投げた

カランカランと音を立ててうしろの方の少し離れた場所に転がっていった


今だけは魔力はたんまりある。顔の表面の皮と骨と肉と眼球、あとは脳みそが多少千切れ飛んだだけの被害は被害じゃない


顔をいそいで復旧させると悍しく蠢く俺の顔の右半分が現れる

ヘンゴのSAN値はゴリゴリと削られているんじゃないだろうか



俺は無言で拳を振りかぶる


ヘンゴは俺の行動に目を見開いたままどうにか防御をしようと体を動かす



背後で微かに音が鳴る



そして俺の拳がヘンゴにぶつかる直前、顔にべチャリと嫌な音がして何かがくっついた

多分、音を立てたのは俺の顔だったものだろう




そして体がぴたりと止まった




最悪だ


あまりにも無計画過ぎた

あの店員の言葉が今になって刺さる


あまりにも警戒がなさすぎた

ここまで弱くされたのだからもう大丈夫だろうと油断していた


切り札を渡すんだからきちんと対策はしていることくらい用意に想像できたはず。いや、気づいたのは仮面つけた後だっけ


まあ、いくら後悔してももう無駄だ


俺は顔に張り付いた仮面を撫でながら膝から崩れ落ちた




想像していたより、自由は遠い




仮面がこういう呪いを持ってるって前話までに気づいた人ってどれくらいいるんだろう?

たくさんいたら嬉しいな

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