14話 ちょっと危険なかんじ
衝撃の事実
前の話で経過した時間、約10秒
一部書き換えました
堕ちた神→堕ちた果実
援軍が来ることも警戒していたが結局やつらは俺らをそのまま襲うようだ
グギャア!!と叫びながらゴブリン達が飛び降りて来た
「レン!行くぞー!」
「おうよ!」
「上、頼んだぞ!
………………スゥ、
ゴガアアアアァァァアア!!!!!」
鼓膜の震えるようなヘンゴの叫びによって緑の有象無象が硬直する
よし、いい感じに決まったな
次は俺が上手くやらないと
俺が樹木魔術を使うと洞窟の壁から階段のように枝らしきものが飛び出てくる
俺が樹壁に隠れているあいだに洞窟の壁に張り巡らせていた根から伸ばしたものだ
それら全てが伸びきる前に飛び出しそれを踏み台にして洞窟の上に登っていく
ゴブリンは驚き、慌てて弓の狙いをつけようとするが、不規則に揺れるように近づく俺には上手く狙いが定まらないようで検討違いの方向へ矢が飛んでい…痛!今カスッた!絶対カスッた!
だが、毒は無さそうだ。多分
気にせずに進み、一番上まで辿りついたら全力でジャンプ!
ゴブリン達の頭上を通り過ぎ、背後をとった
そうしたらゴブリン達が振り返る前に、杖を横に伸ばし、硬く太くする
その杖を体の前面で床に並行に構えて…
全力でダッシュ!!
フハハ!全員巻き込んで落下死させてくれるわ!
思い切り走りゴブリンの目の前に来たところで
体がピタリと止まった
「…は?」
すでに弓を壁の近くに捨てていたゴブリン達は腰にさしていた旧石器を構えて俺に襲いかかってきた
クソ!なんで止まったのか意味わかんないけどとりあえずは防がなければ!
「グギイ!」
と叫んでゴブリンが肉薄する
杖の真ん中を折り、片方で左から来たゴブリンの攻撃を防ぐ
もう片方ですぐに気絶させてやるつもりで殴ろうとして
体がピタリと止まる
「なんだよこれ!」
不安になり、思い切って距離をとったあと小石大の木屑をつくり牽制のために投げようとすると
体がピタリと止まった
これはまずい
とにかくまずい
どうして…
そうだ、ヘンゴ。ヘンゴは無事か!?
「ヘンゴ!生きてるか!」
「意外と…フンッ!大丈夫だ!レン!てめぇはなんかあったのか?」
「ゴブリン殺せてるか!?」
「3匹やったぞ!で、お前はどうなんだ!ゴブリンが落ちてきてねえがしくじったか!」
良かった、とりあえずヘンゴは大丈夫そうだ
攻撃できないのは俺だけか…
「すまん!完全にやらかした!作戦は失敗!攻撃が一切できねえんだ!たぶん呪いかなんかかけられちまった!」
「あぁ!?なんだそりゃ!…オラァッ!…仕方ねえ!なら逃げるぞ!」
「分かった!もう少し持ちこたえてくれ!」
「わかった!
スゥ……………ゴガアアァァアアアァァァァアアアアア!!!」
ヘンゴがまた吠えたおかげでゴブリン達の動きが再び硬直する
これがチャンスと思って地面に杖をさしてそこから根を張りゴブリンの足を絡めとろうとして
体がピタリと止まる
魔術もだめか
俺の攻撃手段がゼロとか、笑えない
しかし状況はどうしようもない
壁に向かって見張り殺しでは失敗した杖銃を使い種を壁に撃ち込む
そして、逃げるため右に大きく飛ぼうとして
ポケットからエビがこぼれ落ちた
…は?
「お前!何してくれとんの!久々に出てきたと思うたら足引っ張るだけって!エビとしての誇りとかないんか!」
むちゃくちゃ早口で文句を言いながらエビを拾うためにかがみこむ
すると勢いをつけていたためか前に倒れかけてしまう
「グギイイイ!」
ん?なんだ?
ああ、杖を大きくしてたから距離感がわからずにゴブリンの目玉に杖が突き刺さしてしまったのか
ごめんよ
……ん?
「グギャアアア!」
と声を荒げてゴブリンが更に勢いを増して襲ってきたため、先程のを深く考えずに今度こそしっかりとエビを拾い上げて右に飛ぶ
事前に壁にとばしていた種から作った極小の足場に着地、複数相手に奮戦しているヘンゴを確認し、声をかける
「ヘンゴ!逃げるぞ!」
「どぉりゃっ!…ふぅ、わかった!援護を頼む!」
「任せと…」
今、何かが入口にいたような…
あれは…いや、一旦気にしないでおくしかないな
それより急に
ゴゴゴゴゴ……
という音がなりだしたのが気がかりだ
地震ではない。間違いなく上で鳴っている
この音、どこかで…
足場を下に蹴って洞窟の一階部分に飛び降りる途中で思考をフル回転させる
……確か…洞窟での演習中…
あの時は、墜ちた果実を信仰する一派が奇襲をかけてきたよな
確か、洞窟の入口を壊して…
着地を素早くスマートに決めて手を差し出す
「ヘンゴ!捕まれ!!!」
「急にどうした!?」
「いいから!!早く!」
「どこにだよ!」
「手だよ!」
さっきまではピンチはピンチでも命には余裕があった
ヘンゴが重症を負う前に助ける自信があった
だが、今は違う。本気で危ない。依頼達成とか、くだらない王国への反発心で使わないわけにはいかない
切り札を、切る
懐から注射器を取り出して首筋に刺して中の青く澄んだ液体を体に取り込む
注射器の中身は超濃縮魔力抽出液
以前の俺の持っていた魔力とほぼ同等の魔力が含まれている
全身に力が漲り、全能感が頭を支配する
俺は手から枝を多数伸ばしてヘンゴの体をホールド
そして、爆発する木の実などを作って背後で爆発させブーストをするなどしてあらゆる手段を使ってあえて洞窟の中へと全力で戻り、二階の先程の戦闘のあった更に奥へと進んで行った
レンの移動のスピードは凄まじく、レン達の去ったそのすぐ後に落ちた洞窟の天井、それによって舞った土埃が残った風の流れを数十秒可視化していた程だった
最強もの嫌悪勢もこれには思わずにっこり




