8話 慢心
失踪したと思ったろ!残念でした!
そもそも失踪したことに気づいてくれる読者がほとんどいないだけどな!
いやぁ、いい買い物をした
マナツリーは結構高価な物なのでなかなか手に入らない
それがこんなにアッサリと手に入れられるなんて
感動のあまり生命活動を止めてしまいそうだよ
「やったぜヘンゴ。マナツリーの杖だぞ」
「すまん、俺にはただの枝にしか見えない」
価値の理解できない輩はこれだから。
「マナツリーはな、すげぇ高価なんだよ。そもそも生息地が…」
「いや、価値はわかってる。だがな、普通、葉っぱがついてて枝分かれもしてる、細い曲がった木の一部は枝って言うと思うんだよ」
「俺がただの枝を買う馬鹿だと思うか?」
「店長を脅して怖がらせておいたのに結局服の中で一番売れないのを掴まされた奴が馬鹿かどうか道端で聞いてみるといい」
「オリジナリティ出すには丁度良かったさ。で、マナツリーの枝だが…
「枝って言ってるじゃねえか」
「黙れ
それでだな、前俺が魔術師だと言っただろ」
「言ってたな」
「俺はな、樹木魔術師なんだよ」
「そうなのか」
「反応が薄い」
「興味ねえし」
「そうか」
「まあいいや、つまり俺ならこうできる」
枝に魔力を通してグニグニと曲げる。
「で?形はそれっぽいが?意味はあるのか?」
「?が多いぞ。煽ってると勘違いされるぞ」
「事実煽ってるんだよ。俺は確かに只の脳筋だがな、魔術回路の掘られてない杖に価値が無いことくらいは知ってるんだよ。」
「はっ、馬鹿が。魔術師はな、回路が無くても触媒があれば十分なんだよ。」
「それができるのはDランク以上のスキル持ちだし、結局回路があった方が良いってのは変わらないだろ?」
え?それマジ?
「なななななんだよ、結構知ってんじゃねぇか」
「何動揺してんだ本職の魔術師さん」
やべぇ基礎の勉強やらされてないから触媒あった方が便利とかしか知らないのバレる。
Bランクスキルに任せたゴリ押し適当魔術でやってきたのがバレる!
「んん゛っ!まあとにかくだな。俺にはこれで十分なんだよ。」
「さいですか」
「それにこれは道化師の杖でもあるからな…弱体化した魔術師にとって脆い魔術回路入りの杖は逆効果さ」
「まぁそうかもな…ところで、これからはどうすんだ?ギルド行くか?」
「ちょっとステータスの職業の変更をさせてくれ」
「そういえばまだだったな、構わないぞ
確か、神殿はあっちの方…」
「いや、大丈夫だ。ちょっと周りを見張っといてくれ」
「ん?それはどういう…」
職業とは、神によって与えられるもの、だという認識がこの世界の一般常識だ
しかし、それは真実ではない…かもしれない。俺には確かめることはできないから
が、態々神殿に行く必要は無いと言える
何故なら、職業は自分の認識に影響されるのである
自分はこの職業である、という断固とした意思によって職業は決定される
そのため、本気で自分はその職業だ!と思い込めるなら好きなタイミングで職業変更は可能だ
まあ、普通の人は偽りの自分を本気で思い込むのはなかなか難しいから「神は望んだ職業を自身に与えてくれるのだから、神殿で祈ったなら当然職業は変わっている」という考えを経て職業を変更する
そのイメージを強固にするために神殿に行く訳だ
ちなみに、暗殺者は普段のステータスは偽ってるから暗殺直前に職業変更をするのが普通だ。しかしもちろん、そのために神殿に行っては暗殺後「あいつ怪しくなかった?」となるので、持ち運び式の神像で代用したり、一握りの暗殺者は俺のように何も無くても変更できるようにするらしい
そう、俺のように
時間はかかるが自己暗示をかけ続ければ、自分自身で変更できるのだ!
「よし、ヘンゴ、もう大丈夫だ」
「大丈夫ってなんだよ」
「もうできたって意味だ。ギルド行って登録しようぜ」
「いやいや、意味分からん、まじで。」
「いいから、いいから」
「よくねぇよ!」
一つだけ言わせて頂きたい
レンの容姿はJOKERと一切関係ありません
あれは本当にただの偶然です




