5話 About ミー
ガッツリ解説入れときました
「道化師…って、正気か?お前?」
まあ、そう言われるのも無理は無いだろうなぁ。
だって道化師だし。
道化師ってのは、どこぞの遊び人とは違って、極めればかなり強い。
おとぎ話でも勇者パーティーに入ってたりするし。
なのに、道化師になる人数は少ない。
何故かって?これが道化師を選ぶことを正気では無い扱いとなる1番の問題なんだが、
道化師達はかなーり排他的なんだ。
意外か?
勿論こいつらはコミュニケーションはめちゃくちゃ得意だし、人好きだし、相手を驚かせるのが何より好きだ。
だからこそ、決して技の種を明かさない。
己の芸を他人に教えたりはしないんだ。
道化師は独創性というのを極端に好む。
だから、ダンス1つとっても、1人として動きが被ることは無い。
もし、パクリがあって発覚したら、血祭りにあげられる。
そんな職業だから、就こうとするなら、方法は2つ位しかない。
引退した道化師に全力で自分をアピールして弟子入りするとかだな。
ただ、さっきも言ったが、こいつらはかなり強い。
攻撃を当てたと思えば無傷で、攻撃を防いだと思えば盾を貫通している。
姿を見つけたと思えば、後ろからナイフで首を撫でられる。
魔法で全て焼き尽くしたと思えば、それは幻影で魔法の発動すら出来ていなかった
…等々、嘘みたいな実話が数多くある。
そしてこれができるなら…俺にとって非常に都合がいい。
俺の特殊性で何かあっても、それは「道化師だから」で誤魔化せる。
後、前言ったように、俺の魔術主体の戦いとも相性がいいしな。
さらにもう一つ理由をあげると、道化師には対応したスキルが存在しないことがわかっている
剣士の剣術、魔法使いの魔法、ネクロマンサーの死霊術、等普通は職業にはそれぞれ補正のかかるスキルというのが存在しているはずだが、道化師にはそれがない
だからこそ、上の話が嘘のように感じるわけだ
マジックなんて都合の良いスキルがあって自動で体が動いたりなんてことは無い。タネも仕掛けも存在していて、それでも超常現象を起こすかのように見えるエンターテイナー。それが道化師だ
まあ、それなら転移特典のスキル以外取得のできない勇者である俺でもできるかなと思ったわけだ
ここまで考えて俺は道化師がいいかな、と思っている。
「ああ、正気だ。」
「考え直せよ。元魔術師が急に道化師になってもどうしようもないぞ。」
「いや、仲のいい道化師が1人いるんだ。だからほんの少しの基礎なら教えてくれるらしい。」
「なら…大丈夫…なのか?」
「ああ、それに魔術もまだ多少は使えるしな。」
「なるほどな…お前全然職業迷ってねぇじゃん。」
あ…
「…後押しが欲しかったんだよ。」
「告白前の女か、お前は。」
まあいいや。
じゃ、登録する前に最低限の道化師としてのオシャレを整えに行こうか。
ん?仲のいい道化師は誰かって?
はっはっ、いる訳無いじゃん。クラスメイトにいた気もするが。そいつには頼れない。
だから俺は道化師になるのに、道化師になる方法の2つ目をするんだよ。
つまり、独学さ。
*
オシャレを買いに行くのにはヘンゴもついてくることになった。
いや、働けよ。お前鉄級だろ。
さて、道中でおさらいでもするか。
今まであまり触れて来なかった俺の戦闘スタイルについて。
俺の元の戦い方は、例えるなら…歩く要塞…だろうか?
樹木魔術によって周りに様々なものを生み出しそれを操る…みたいな感じだ。
例えば、棘根棍を生やして敵をぶっ叩いたり、監視花で死角を補ったり、大樹生やしたり、樹鉄の処女したり、とかだ。
大多数はもう使えないんだけどな。
また、樹木魔術師全体に言える事だが、一対多や、巨大な敵と相性がいいな。だから赤蟻とてんとう虫を同時に相手してもどうにかなったんだ。
因みに、樹木魔術はバフもかけれる。
一般的には、木々を生やしその中にいるとバフの恩恵に預かれるようにする形が多い。
派閥によっては色々違うのだが…それについてはまた今度。
しかし、俺は何故かバフをかけれない。
その他にも俺の魔術と一般的な魔術では違いがあるのだが…それについてもまた今度な。
ん?黒虎はどうかって?
あんなの全く戦力にならないぞ
強いて特殊性を挙げるなら、陸で呼吸できることと誰からも意識されないってことかな
誰かにエビちゃん見せてもだからなに?って顔されるし
さて、こんなもんかな。
これからの戦闘スタイルについては…もう少し考えていこうか。
時間はまだたっぷり使えるのだし。
そう、時間はたっぷりある




