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死界のネクロマンサー  作者: のんびり小僧
第1章「禁忌の目覚め」
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第9話「追われる者」

森の奥へ進むレオとガイア。


母親から渡された鍵を握りながら、レオは黙って歩いていた。


「……母さん、大丈夫かな」


『村には戻らない方がいい』


「分かってる。でも……」


レオが振り返る。


「俺がいなくなったら、母さん一人になる」


『だからこそ、今は進むべきだ』


その時だった。


ガサッ。


「……!」


二人が足を止める。


木々の間から、三人の教会兵が現れた。


「見つけたぞ、ネクロマンサー」


「また教会か……」


「お前を拘束する」


教会兵が武器を構える。


ガイアが前へ出た。


『レオ、ここは私に任せろ』


「待って」


レオは一歩前に出る。


「俺が話す」


「話すことなどない!」


教会兵の一人が突っ込んでくる。


「くっ!」


レオは避けようとするが、足を取られて倒れ込む。


「レオ!」


ガイアが教会兵を吹き飛ばす。


「大丈夫か!」


「うん……」


レオは立ち上がる。


「ガイア、もう一度頼む」


『分かった』


ガイアが教会兵へ向かって走る。


しかし、今度は二人が同時にガイアを狙った。


「ガイア!」


レオの右手が輝く。


「俺の力を……!」


黒い魔力がガイアへ流れ込む。


ガイアの動きが一気に速くなる。


「今だ!」


ガイアが一人を倒し、もう一人の攻撃をかわす。


残った教会兵がレオへ向かって走ってくる。


「ネクロマンサーめ!」


「……!」


レオは恐怖で動けなくなる。


だが、右手の紋章が強く輝いた。


その瞬間――


地面から黒い手が伸び、教会兵の足を掴んだ。


「なっ……!」


教会兵が転倒する。


レオ自身も驚いた。


「俺が……やったのか?」


『そうだ』


ガイアが頷く。


『お前の力は、死者だけを操るものではない。死の力そのものを扱い始めている』


「……怖いな」


『怖くていい』


ガイアは静かに言う。


『力を恐れなくなった時、人はその力に支配される』


レオはしばらく黙っていた。


そして、倒れている教会兵を見る。


「俺は……誰かを殺したくない」


「ならば、我々を逃がせ」


教会兵の一人が苦しそうに言う。


レオは頷いた。


「分かった。もう追わないでくれ」


教会兵たちは森の奥へ去っていく。


レオは空を見上げた。


「……村には、もう戻れない」


『そうだな』


「母さんに会えるのは、いつになるかな」


『全てが終われば、また会える』


レオは小さく笑った。


「そうだな」


そして森の奥へ進んでいく。


その頃、村では母親が一人、窓から森を見つめていた。


「……行ったのね、レオ」


テーブルの上には、一枚の古い写真が置かれている。


そこには――若い頃の母親と、一人の男。


レオの父親が写っていた。


母親は写真を握りしめる。


「どうか……生きていて」


レオはまだ知らない。


父親の行方が、ネクロマンサーの歴史と深く関わっていることを。


――第9話・完――

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