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死界のネクロマンサー  作者: のんびり小僧
第4章「聖王教会編」
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第52話「聖王教会本部へ」

北の街を出てから、三日。


レオたちは聖王教会本部へ向かう街道を歩いていた。


「まだ着かないのか?」


カイが遠くを見ながら呟く。


「あと半日くらいだと思います」


ミナが地図を確認する。


レオは黙って歩いていた。


昨夜、ゼルクから届いた言葉が頭から離れない。


――教会を信用するな。


『考えすぎるな』


ガイアが声をかける。


「でも、気になる」


『警戒することと、疑うことは違う』


「……そうだね」


その時。


後方から馬の足音が聞こえた。


カイが振り返る。


「誰か来るぞ」


数人の騎士がこちらへ向かってくる。


先頭の騎士が馬を止めた。


「レオだな?」


「そうだけど」


「私は聖王教会所属の騎士、ローディンだ」


ローディンは馬から降りる。


「本部まで同行する」


カイが眉をひそめる。


「護衛か?」


「監視だ」


はっきりと言い切った。


「監視?」


「ああ」


ローディンはレオを見る。


「教会は、お前が黒い紋章の勢力と接触している可能性を警戒している」


レオの表情が変わる。


「ゼルクのことも?」


ローディンは一瞬黙った。


「……名前まで知っているのか」


「知ってる」


「なら話は早い」


ローディンは声を落とす。


「ゼルクは教会が長年追っている人物の一人だ」


カイが尋ねる。


「何者なんだ?」


「詳しいことは本部で聞け」


ローディンはそれ以上答えなかった。


レオは歩き始める。


「分かった。一緒に行く」


しばらく進むと、道の先に巨大な城壁が見えてきた。


その中央にそびえ立つ白い建物。


「……あれが?」


ミナが息を呑む。


「ああ」


ローディンが答える。


「聖王教会本部だ」


巨大な門をくぐる。


中には多くの聖職者や騎士が行き交っている。


しかし、レオたちを見ると、視線を向ける者が多い。


「みんなレオを見てるな」


カイが小声で言う。


「ネクロマンサーだからでしょうか」


ミナも周囲を見回す。


レオは気にせず歩く。


やがて、大きな建物の前で止まった。


「ここから先は、司祭の許可が必要だ」


ローディンが扉を開ける。


中には、一人の女性が立っていた。


「お待ちしていました」


「あなたは?」


「聖王教会の司祭、エレナです」


エレナはレオを見つめる。


「あなたがレオですね」


「はい」


「地下礼拝堂での一件について、いくつか質問があります」


レオは頷く。


「分かりました」


エレナは静かに続けた。


「ですが、その前に一つだけ」


「何ですか?」


「あなたは、あの黒い石に触れたそうですね」


レオの目が変わる。


「……知ってるんですか?」


「ええ」


エレナは表情を曇らせる。


「あの石については、教会でも限られた者しか知りません」


「何なんです?」


エレナは答えなかった。


「それを含めて、これから話します」


その瞬間。


教会本部の奥から、鐘の音が響いた。


ゴーン……。


エレナが振り返る。


「……この鐘は」


ローディンの顔が険しくなる。


「何かあったのか?」


エレナは窓の外を見る。


「結界が破られました」


レオたちの表情が変わる。


「誰に?」


エレナは静かに答えた。


「黒い紋章を持つ者に」


――第52話・完――

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