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死界のネクロマンサー  作者: のんびり小僧
第3章「死者を率いる者」
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第49話「聖騎士との対峙」

地下礼拝堂。


レオたちと聖王教会の騎士たちは、互いに武器を構えたまま向かい合っていた。


「その石から離れろ!」


先頭の聖騎士が叫ぶ。


レオは黒い石から手を離さない。


「この石は何なんだ?」


「お前が知る必要はない」


「じゃあ、どうして俺が触れた瞬間に反応した?」


騎士が黙る。


カイが口を開く。


「答えられないってことは、何か隠してるんだろ?」


「黙れ!」


聖騎士たちが一斉に剣を構えた。


レオも魔力を集中させる。


「俺は、この石を持って帰る」


「それは許可できない!」


一人の聖騎士が突っ込んでくる。


カイが迎え撃つ。


ガキンッ!


「お前の相手は俺だ!」


二人の剣が激しくぶつかる。


「カイ!」


「レオは石を調べろ!」


別の聖騎士がミナへ向かう。


「《風壁》!」


ミナの魔法が攻撃を防ぐ。


「ありがとうございます!」


「礼は後だ!」


ガイアと守護者も騎士たちの前へ出る。


『レオ、急げ!』


「分かった!」


レオは黒い石へ手を伸ばす。


すると――


ドクン。


石が強く輝いた。


「……!」


頭の中に、また映像が流れ込んでくる。


暗い場所。


一人の若い男が立っている。


その男の身体には、黒い魔力が渦巻いていた。


「ネクロマンサー……」


レオが呟く。


その人物の周囲には、数え切れないほどの死者がいた。


だが、男は死者たちを支配しているのではない。


一人一人に語りかけていた。


『力を貸してくれ』


死者たちは男の言葉に応えるように立ち上がる。


レオは息を呑む。


「……これが、本当のネクロマンサー」


映像が切り替わる。


今度は聖王教会の騎士たちが映った。


彼らはネクロマンサーと戦っている。


しかし、その戦いの理由は――


ネクロマンサーが人々を襲ったからではなかった。


騎士たちの背後に、黒い紋章を持つ者たちがいる。


レオの目が見開かれる。


「……黒い紋章」


映像が消えた。


「レオ!」


カイの声で我に返る。


目の前では、カイが聖騎士と激しく戦っていた。


「大丈夫か?」


「うん!」


レオは黒い石を見つめる。


「この石は、過去を見せてくれた」


聖騎士が叫ぶ。


「その石を渡せ!」


レオは首を横に振る。


「嫌だ」


「ならば――」


聖騎士が剣を構える。


「力ずくで奪う!」


その瞬間。


地下礼拝堂の奥から、黒い魔力が吹き出した。


「……何だ!?」


全員が動きを止める。


黒い石が空中へ浮かび上がる。


そして――


石から無数の黒い影が現れた。


「死者……?」


ミナが震える。


レオには分かった。


この場所に残された死者たちの記憶。


「俺に……力を貸してくれるのか?」


影たちはレオの周囲に集まる。


聖騎士たちが後退する。


「ネクロマンサーが……!」


レオは死者たちを見つめる。


そして静かに告げた。


「俺は、お前たちを支配しない」


影たちがレオの後ろへ並ぶ。


「力を貸してくれるなら……一緒に戦ってほしい」


黒い影が一斉に動き出した。


聖騎士たちは驚いて身構える。


地下礼拝堂に、死者の軍勢が現れた。


――第49話・完――

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