第47話「教会を狙う者」
ゴーン……。
夜の街に、三度目の鐘が響いた。
レオは宿の窓から、聖王教会の屋根を見つめていた。
「……あの影、まだいる」
カイが剣を手に取る。
「行くぞ」
「うん」
四人は宿を飛び出した。
街は静まり返っている。
だが、教会へ近づくにつれて、人の気配が増えていく。
「兵士が集まってる」
カイが見る。
教会の周囲には、聖王教会の騎士たちが集まっていた。
その中央に、昨日の司祭が立っている。
「レオ!」
司祭がこちらに気づく。
「なぜここへ?」
「屋根に黒い影がいる」
レオが指差す。
司祭が上を見る。
「……黒い紋章」
その瞬間。
屋根から黒い影が飛び降りた。
ドンッ!
地面に着地する。
黒いローブ。
胸元には黒い紋章。
「教会の連中に伝えろ」
男が低い声で言う。
「地下にあるものを渡せ」
司祭の表情が変わる。
「何のことです?」
「とぼけるな」
男の周囲に黒い魔力が集まる。
「この街の地下に眠るものだ」
レオが前へ出る。
「それなら、俺も聞きたい」
男がレオを見る。
「……ネクロマンサー」
「地下に何がある?」
「お前には関係ない」
「俺の力と関係してるんだろ?」
男は一瞬黙った。
その反応を見て、レオは確信する。
「やっぱり知ってるんだな」
男が手を掲げる。
「ならば、お前も排除する」
黒い魔力が爆発する。
「来るぞ!」
カイが叫ぶ。
レオたちは散開した。
ドン!
黒い魔力が地面をえぐる。
聖騎士たちが一斉に動く。
「全員、構えろ!」
教会側と黒い紋章の男たちがぶつかる。
「《光槍》!」
聖騎士の魔法が夜空を走る。
黒い魔力がそれを受け止める。
「すごい……」
ミナが呟く。
「教会の騎士も強い」
カイが剣を構える。
「俺たちも加勢するぞ!」
「待って」
レオが止める。
「敵の狙いは地下だ」
「じゃあ……」
「俺たちは地下へ行く」
ガイアが頷く。
『戦いは騎士たちに任せるのだな』
「うん。あいつらが何を探しているのか確かめたい」
レオたちは教会の中へ走る。
「待ちなさい!」
司祭が叫ぶ。
レオが振り返る。
「地下への入口は?」
司祭は迷った。
しかし、外では激しい戦闘が続いている。
「……地下礼拝堂の奥です」
「ありがとう!」
レオたちは教会の奥へ向かう。
長い廊下を走り、地下へ続く階段を下りる。
その途中――
ゴゴゴゴ……。
地面が大きく揺れた。
「何だ!?」
カイが壁に手をつく。
「外の戦い?」
「違う」
レオが地下を見る。
「もっと下からだ」
ミナが青ざめる。
「地下に……何かいます」
レオは階段の先を見る。
そこには巨大な鉄扉があった。
扉の中央には――
黒い紋章と、聖王教会の紋章。
二つが重なるように刻まれている。
「……教会と黒い紋章」
レオが息を呑む。
「昔から何か関係があったのか?」
その瞬間。
扉の向こうから――
ドンッ!
巨大な音が響いた。
カイが剣を構える。
「何か、出てくるぞ」
レオは扉を見つめる。
「……開ける」
――第47話・完――




