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死界のネクロマンサー  作者: のんびり小僧
第3章「死者を率いる者」
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第40話「旧地下墓地」

翌朝。


レオたちは、街の東側にある古い建物の前に立っていた。


「ここが、旧地下墓地への入口か」


カイが扉を見る。


扉には、古びた黒い紋章が刻まれていた。


「昨日の魔法陣と同じ……」


ミナが不安そうに呟く。


レオは扉に手を当てる。


「中から、死者の気配がする」


ガイアが頷く。


『間違いない。何かがいる』


守護者が大剣を構える。


「行こう」


扉を開ける。


中には地下へ続く長い階段があった。


一段、また一段と下りていく。


やがて、広い地下空間に出た。


「……ここは?」


壁には大量の古い棺が並んでいる。


その中央には、大きな黒い魔法陣。


ミナが息を呑む。


「これ……人を転移させる魔法陣です」


「じゃあ、失踪した人たちは――」


「ここを通った可能性があります」


レオは魔法陣へ近づく。


その瞬間。


カタッ。


奥の棺が動いた。


「全員、構えて!」


棺の蓋が次々と開いていく。


中から現れたのは、骨だけになった死者たちだった。


「スケルトン……!」


カイが剣を抜く。


「数が多い!」


スケルトンたちが一斉に襲いかかる。


「《死縛》!」


レオの黒い鎖が数体を拘束する。


カイが斬り込む。


「はあっ!」


ガイアも拳でスケルトンを吹き飛ばす。


『まだ来るぞ!』


ミナが魔法を放つ。


「《風刃》!」


風がスケルトンの群れを切り裂く。


守護者の大剣が最後の数体を叩き伏せた。


静寂が戻る。


「……終わった?」


カイが辺りを見る。


だが、レオは動かなかった。


「違う」


「え?」


「このスケルトンたち……」


レオが一体の頭蓋骨を見る。


「誰かに操られていたんじゃない」


ガイアが近づく。


『……お前の力と同じだ』


「俺の?」


『死者を動かす力だ』


レオは魔法陣を見る。


「誰かが、この場所で死者を蘇らせていた……」


その時。


地下の奥から、かすかな声が聞こえた。


「……助けて……」


「人の声!」


ミナが走り出す。


「待って!」


レオたちも後を追う。


奥の部屋。


そこには――


鎖につながれた数人の人間がいた。


「大丈夫ですか!」


ミナが駆け寄る。


一人の男が弱々しく顔を上げる。


「……誰だ……?」


「俺たちは助けに来た」


レオが鎖を壊す。


「ここで何をされていたんですか?」


男は震えながら答えた。


「俺たちは……街から連れてこられた」


「誰に?」


「黒い紋章を持った連中だ……」


レオの表情が変わる。


「目的は?」


男はゆっくり首を横に振る。


「分からない……ただ、何度も聞かれた」


「何を?」


男はレオを見る。


「死者を……どうやって蘇らせるのかって」


レオは言葉を失った。


自分と同じ力を、敵も求めている。


その時、地下墓地の奥から大きな音が響いた。


ドォン!


「何だ!?」


床が揺れる。


壁の向こうから、巨大な魔力が膨れ上がっていく。


ガイアが構える。


『まだ何かいる』


レオは黒い魔力を感じ取った。


「……来る」


暗闇の奥。


二つの赤い目が、ゆっくりと開いた。


――第40話・完――

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